雨霽るゝ望みもなし。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに古今亭志ん生が犬の災難を聞く。音源は昭和三十五年二月二十一日NHKなり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり笑ひすぎなみ寄席に桂宮治の棒鱈を聞く。TBCラヂオ魅知國寄席に雷門小助六が悋氣の火の玉を聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に服部哲也作、桂九雀の埴輪盜人を聞く。去十日りそな銀行大阪本店講堂に於る口演なり。NHK總合演藝圖鑑再放送とNHKラヂオ第一上方演藝會は颱風二十四號臨時報道のため休止せらる。TOKYO FM山下達郎サンデー・ソングブックを聽く。
Eテレ日本の話藝に柳家喬太郎の擬寶珠を聞く。短き噺なれば長きマクラに丁抹愛蘭英蘭氷州巡業の珍談を語る。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭緣のつるを聞く。今月十日神戶喜樂館に於るの口演なり。Eテレ浪曲特選夏に東家一太郎が一太郎の淺草案内、玉川奈々福の浪曲百人一首戀歌編、富士路子の慈母觀音、真山一郎が刄傷松の廊下、澤孝子の一本刀土俵入りを聞く。黃昏より地下鐵道リニモ乘合自働車颱風のため運轉休止となる。
朝來雨霏霏として晴るゝ模樣なし。NHKラヂオ深夜便に樹木希林と天野祐吉の對談を聞く。平成二十五年三月放送の番組なり。NHK總合落語THE MOVIE秋特番に柳家喬太郎の寝床と春風亭一之輔の天狗裁きを聞く。昨夜のEテレにつぽんの藝能に藤間一寿生の藤娘拔粹を見、柳家さん喬の長短を聞く。NHKラヂオ第一眞打競演に三遊亭天どんのだくだく、東玉助の漫談、柳家小滿んの靑菜を聞く。午下乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて大須觀音に出で鯛福茶庵の鯛燒を食ふ。皮はふやけ餡は火傷するほど熱し。稅拔百四十圓。大須演藝塲に赴く。二時なごや市馬落語集開演。自由席き列十一番の席にすわる。開口一番前座の柳亭市朗手紙無筆を語る。科白と科白の間合もう少し短くされたし。二ツ目柳亭市樂登塲して下手の袖雨漏りするといひ湯屋番を語る。市馬登場するや待ってましたの声かゝりたり。孝行をしたい時分に親はなし、さればとて石に布團も着せられずのマクラをふりて一席目二十四孝を語る。語り終へしに高座を去らず、仲入前にもう一席と、五代目小さん宅の泥棒騷動に觸れて芋俵を語る。觀客席冷房裝置より流出る風の冷なること堪へがたければ名殘を惜しみつゝ後半は聞かず來路を取りてかへる。三重テレビ淺草お茶の間寄席に三遊亭遊史郎の猿後家、ロケット団の漫才、入船亭扇治の壺算を聞く。東海テレビENGEIグランドスラムLIVEにナイツと爆笑問題の漫才を聞く。
快晴の空拭ふが如し。川岸を步む。金木犀の香り馥郁たり。輕鴨四羽。昨夜のBS朝日お笑ひ演藝館＋に東京太ゆめ子、新山ひでややすこ、宮川大助花子、相席スタートの漫才を聞く。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴しつゝ碧空を仰ぐ。阿川佐和子著アガワ対談傑作選（文春文庫）を讀む。
朝の中雨霏霏として寒氣また甚し。秋學期始業日なり。コメダに朝飯を喫してカーラヂオのNHK-FMに萩原健太のポップス・クロニクル七十年代篇再放送を聞きつゝ豐田學舍に赴く。道路混雜、茶店より一時間近くかゝりぬ。定期試驗答案を返却して後春學期の復習を兼ねて學生銘々と西班牙語にて會話をなす。夕刻空晴る。晡下家にかへる。日脚際立ちて短くなり運轉席の眞正面より夕陽射すなり。NHK-FM浪曲十八番に玉川こう福が別れ淚の花舞臺を聞く。曲師玉川みね子、尺八山口武志、ソイ掛け木谷浩。
曇天。川岸を步む。輕鴨七八羽隊をなして川下より川上へ飛ぶを見る。下川原橋と振興橋の間に輕鴨六羽。金木犀の花香ほのかに漂ふ。能町みね子著トロピカル性転換ツアー（文春文庫）を讀む。NHK-FM邦樂のひとゝき琵琶篇に米村旭翔の安達ヶ原と石橋旭姫のあつもりを聽きつゝ柄谷行人講演集成 1995-2015 思想的地震（ちくま学芸文庫）を讀む。夕刻より雨霏霏たり。MBSらくごのお時間に笑福亭仁智の源太と兄貴を聞く。
朝来雨蕭蕭たり。NHK-FM邦樂のひとゝき小唄篇に四代目飯島ひろ子の大はりま、筆のかさ、繪日傘、蓼津留染の築地明石町、殘る月、三つの車、吏美いち絵の向こう通るは、河太郞、ひよんな事から、花菱は満朝の逢うて別れて、つれてのかんせ、秋の七草を聽く。午後ことぶきの湯に徃き雨の小止みを幸に露天風呂に浴す。湯煙立上る季節とはなりぬ。圖書館に立寄りてかへる。町山智浩著ブレードランナーの未来世紀（新潮文庫）を讀む。リドリー・スコット監督のブレードランナー冒頭にてデッカードと屋臺の親爺が「四つくれ」「二つで充分ですよ」と言ひ合ふ意味漸く判明す。
秋分の日振替休日。半陰半晴。TOKYO FM落語千金に立川談笑が水屋の富を聞く。河畔を步む。川鵜一羽水に潛りては小魚を漁る。輕鴨五羽。椋鳥、雉鳩、土鳩。NHK-FM邦樂のひとゝき吟詠篇に伊藤契麗の秋來ぬと、峨眉山月の歌、石川春海の行く末は、磯濱望洋樓に登る、梶原麗修が甲斐の客中、秋思、加藤契琵の九月九日山東の兄弟を憶ふ、桑乾を渡る、和田瑞鵬の新涼書を讀む、武野の晴月、植田飭菖の一乘寺に遊ぶを聽く。シャープ製錄再機のハードディスクに錄りためし活動寫眞二十三本をブルーレイディスクに複寫す。六倍速にて一枚あたり僅三分。授業準備。
秋分。晴後に陰。坡上を步す。輕鴨八羽。NHKラヂオ第一ラヂオ深夜便話藝百選に春雨や風子の狂言マックと立川志獅丸の權助提燈を聞く。BS-TBS落語硏究會に入船亭扇遊のお札はがしを聞く。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑に新山ひでややすこの漫才と桂文珍のらくだが來たを聞く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに六代目三升家小勝の味噌豆を聞く。音源は昭和三十四年十月十五日TBSラヂオお好み寄席なり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり笑ひすぎなみ寄席に柳家一琴ののつぺらぼうを聞く。TBCラヂオ魅知國寄席に桂米福の締め込みを聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に桂三四郎のMOMOを聞く。去十日りそな銀行大阪本店講堂に於る口演なり。TOKYO FM山下達郎サンデー・ソングブックにアレサ・フランクリン追悼特輯後篇を聽く。
Eテレ日本の話藝に柳家小満んの二階ぞめきを聞く。大相撲九月塲所千秋樂ラヂオ中繼を聞く。上位陣の成績良好のため三賞該當者なし。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭飛梅の延陽伯を聞く。去十日神戶新開地喜樂館ラジ關寄席に於る口演なり。
曇天。NHK關西發ラヂオ深夜便に笑福亭生喬の天王寺詣りを聞く。早朝NTTの技術者來りて陋屋の囘線を調査す。囘路短絡が原因と判明す。幸にして直に復舊したり。NHKラヂオ第一眞打競演に三笑亭可龍の桃太郞、ホームランの漫才、三遊亭白鳥の座席なき戰ひを聞く。午下乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて大須觀音に出づ。商店街の銀のあんにて鯛燒を食す。薄皮はパリ／＼と香ばしく餡多く美味なり。二時大須演藝塲に赴く。母心獨演會なり。昨年の獨演會は客席滿員なりしに本日は空席目立ちたり。落語家の影響を受ける男、或は歌舞伎ネタいつ聞きても樂し。夕餉の後三重テレビ淺草お茶の間寄席に柳亭こみちの民謠大家と柳家權太樓の家見舞を聞く。
秋雨蕭蕭。NHKラヂオ第一すつぴん！に谷川俊太郎と高橋源一郎の對談を聞く。午後いつもの溫泉に浴す。高橋源一郎と辻信一の對談本弱さの思想（大月書店）を讀む。二更MOVIX三好十一番館にて上田慎一郎監督の活動寫眞カメラを止めるな！を看る。興味索然たり。この日何故にや家の固定電話不通となる。
陰雨冥冥。NHK-FM浪曲十八番に玉川奈々福の英國密航を聞く。曲師沢村豊子。終日讀書。
快晴。堤上を步む。綠陰步道の雜草悉く刈りとらる。輕鴨十八羽。午後髮を理す。理髪舗のまはりに金木犀の花香漂ひ初む。筒井康隆の聖痕（新潮文庫）を讀む。大相撲秋塲所テレビ中繼の錄畫を看る。向こう正面三列目に林家ペーとパー子夫妻在り。稀勢の里何故にや兩足にてピョンと力なく立ち逸ノ城に手も足も出ず。鶴竜を吊出したる栃ノ心の怪力恐るべし。
晏起八時に近し。秋晴の空雲翳なし。川に沿ひて步む。堤の下また綠陰步道の草刈始まる。例年に比して半月あまり遲し。慈君と俱に瀨港線なる紳士服屋靑山とアオキに徃く。父上のジャケットを購ふ下見なり。アオキの店員より半額値引券を貰ふ。歸途Felnaに立寄る。北海道牛乳入荷。午後ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴して後湯溫三十三度二分のシルク風呂に半身浴をなす。二箇月ぶりに受付孃Sさんと立談す。市街到る處水道管工事中なり。平壤にて金正恩朝鮮勞働黨委員長と文在寅大統領の會談あり。夕餉にI君の令閨より饋られし茅乃舎だしにて調理したる煮物を食す。風味絕佳。
曇天。敬老の日。川邊を步す。輕鴨十羽。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。高田氏樹木希林の江戸つ子ぶりを讃ふ。如何なる偉い政治家が死にても悲しくはなし、面白い人死なば悲しと。養老孟司著身体巡礼ドイツ・オーストリア・チェコ編（新潮文庫）を讀む。夕餉にI君の令閨より饋られし茅乃舎だしにて調理したる煮物を食す。風味絕佳。
雨もよひの空晴れやらず。NHKラヂオ第一ラヂオ深夜便話藝百選に二代目神田山陽の名君名奉行を聞く。平成七年八月二十五日衛星第二講談特選に於る口演なり。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑に柳家喬太郎のたらちねを聞く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに三代目三遊亭円歌の浪曲社長を聞く。昭和六十年十一月一日NHK演藝指定席の口演なり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり笑ひすぎなみ寄席に林家扇が唖の釣を聞く。TBCラヂオ魅知國寄席に六華亭遊花のもつたいない嫁御を聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に桂米輝の立役者を聞く。去十日りそな銀行大阪本店講堂に於る口演なり。TOKYO FM山下達郎サンデー・ソングブックにアレサ・フランクリン追悼特輯前篇を聽く。
Eテレ日本の話藝に桂南光の質屋庫を聞く。NHKラヂオ第一上方演藝會は安室奈美恵引退特別番組のため放送休止せらる。BS12笑劇ミュージアム再放送にナイツの漫才解散の豫感とニッチェのコント東京のおばさんを聞く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭風喬の大安賣りと笑福亭恭瓶の宮戶川を聞く。大相撲秋塲所ラヂオ中繼の途中樹木希林昨日自宅にて病歿の臨時報道あり。岸本加世子と共演せられしフジカラーが廣告の樂しさ今に忘れず。行年七十五。
雨やまず。NHKラヂオ第一眞打競演はラヂオ体操九十周年紀念番組のため放送休止せらる。NHK-FM邦樂百番に杵屋直吉ほかの長唄船辨慶を聞く。午後ロイヤルホームセンターに赴きセキセイ鸚哥の餌とカナリアシードを購ふ。BS12夕やけミッドナイト寄席に林家あずみの三味線漫談と神田松之丞の乳房榎を聞く。晩食後慈君と林檎を食しつゝ慈君と大相撲秋塲所テレビ中繼を見ることいつもの如し。稀勢の里對千代の国、千代の国激しく突きてはいなして終始飜弄、橫綱防戰一方、千代の国二度目の上手投げの際左足土俵を割りて橫綱辛くも白星を擧ぐ。三重テレビ淺草お茶の間寄席に昔々亭慎太郎の家族旅行作文、柳家はん治が妻の旅行、橘家圓太郎の湯屋番を聞く。
細雨糠の如し。春日井なる動物病院に赴きシヾミ君の肝臟と心臟の藥を貰ふ。藥效あらたかにて每日元氣に飛囘り十一歲七箇月の高齡とも思はれず。志段見中學校西四辻のサークルK取壞され新たにファミリーマートの店舖建設され開店準備中なり。午後いつもの溫泉に徃き湯溫三十三度三分のシルク風呂に半身浴をなす。市中の市塲牛乳拂底。藥店にて辛うじて買ふを得たり。矢田川に靑鷺佇立するを見る。土屋賢二著年はとるな（文春文庫）を讀む。夕餉の後母上と梨を食しつゝ大相撲秋塲所テレビ中繼を見る。結びの一番橫綱稀勢の里對千代大龍に叩かれてぐらつきしところを後ろより押出され初黑星を喫す。幕下豐ノ島四勝して十兩復歸ほゞ確定し男泣きしたり。
隂。正午スタジオかなでるフォトの畏友I君と鰻料理屋うな幸に徃き櫃まぶしを食す。風味佳し。食後コメダに咖啡を喫し歡晤時の移るを忘る。燈ともし頃新幹線にて福岡にかへるI君を地下鐵道驛に見送る。NHK-FM浪曲十八番に花渡家ちとせが伊達家の鬼夫婦を聞く。曲師沢村豊子。
降りみ降らずみの定まらぬ天候なり。時事通信に漫談家ひびきわたるの訃報あり。享年七十五。NHK-FM邦樂のひとゝきに常磐津初勢太夫ほかの釣女を聽く。延広真治著江戶落語（講談社學術文庫）を讀む。夜初更福岡に住める戰友I君來る。岩城宏之と同じ後縱靭帶骨化症といふ難病を患ひ四年前沼津なる病院にて手術を受け、本日同じ病院にてMRI檢査を受け名古屋に立寄られたり。豆腐料理屋梅の花に徃きて晚餐を俱にす。終夜營業の料理屋に河岸を變へて款語深夜二時に至る。
黑雲天を覆ひて暗し。寒冷初冬の如し。川端を步す。輕鴨四羽。家にかへるや雨降出しぬ。NHK-FM邦樂のひとゝきに渡邉雅宏の長唄綱館を聽きつゝ新村出著広辞苑先生、語源をさぐる（河出文庫）を讀む。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴して後湯溫三十三度三分のシルク風呂に半身浴をなす。主治醫を訪ひ藥を乞ふ。雷鳴、雨ふたゝび降る。車檢專門店に赴き車檢證を受取る。牛乳を買はむとてFelnaといふ安賣市塲に立寄るに棚は空なり。北海道大地震のため入荷能はずといふ。ドラッグスギヤマに徃くに在庫僅一本。代價百七拾圓。今夕も慈君と林檎を食しつゝ大相撲秋塲所テレビ中繼を見る。橫綱稀勢の里對豐山、防戰一方の稀勢の里土俵際逆轉の突落しにて辛勝す。琴奬菊三連勝。曾ての大關番付は低迷すれど聊もへこたれず淸々しき戰ひぶりなり。
秋霖歇まず。TOKYO FM落語千金に立川談笑の子ほめを聞く。矢野誠一著新版 女興行師 吉本せい（ちくま文庫）を讀む。NHK-FM邦樂のひとゝき箏曲篇に青木麻衣子が楓の花と山勢麻衣子の秋風曲を聽く。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。柳家花綠客演して曰く、過日鈴本演藝塲の樂屋に金原亭馬玉と漫才師ホンキートンクのだん（間瀬弾）と俱に在り。馬玉は氷が大の好物にて、だんに勸めしところだんは氷を嫌ふこと蛇蝎の如し。この二人の珍妙なる會話を交すところに花綠居合はせたりと。大江健三郎と古井由吉の對談集文学の淵を渡る（新潮文庫）を讀む。晩食の後慈君と梨を食しつゝ大相撲秋塲所テレビ中繼を見る。貴景勝對稀勢の里、對戰成績二勝一敗の貴景勝終始突つ張りて橫綱を土俵際に追ひつめしに橫綱下半身の粘り戾りて殘し逆轉の突き落し。
雨もよひの空なり。川岸を步す。輕鴨三羽。家にかへるや雨沛然として灑ぎ來る。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑に大木こだまひびきの漫才と桂吉弥の風うどんを聞く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに三遊亭圓生の紀州を聞く。昭和五十一年二月七日東寶名人會の口演なり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり笑ひすぎなみ寄席に柳家わさびの釜どろを聞く。TBCラヂオ魅知國寄席に桂伸治のちりとてちんを聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に六代目笑福亭松鶴の一人酒盛を聞く。昭和四十六年三月三十一日道頓堀角座に於る口演なり。TOKYO FM山下達郎サンデー・ソングブックに竹内まりやとの第二囘納涼夫婦放題を聞く。竹内まりや畏れ多くも余の端書を讀まる。音樂もしくは音樂以外で雷に打たれしが如き衝擊を受けられしことありやなしや、余は二度あり、最初は昭和五十八年十二月に札幌のレコード屋にて聽きし達郎のクリスマス・イブ、二度目は平成九年上野鈴本演藝塲にて聞きたる古今亭志ん朝の風呂敷なり。まりや荅へていはくザ・ビートルズなり。達郎はプロコル・ハルムの靑い影なりといふ。紀念に放送談話を抄錄す。
竹内まりや ではお葉書紹介します。愛知県○○市の古屋雄一郎さんからですね。「まりやさんデビュー四十周年おめでとうございます」。ありがとうございます。「質問があります。音楽でも音楽以外でもよいのですが、まりやさんは雷に打たれたような衝撃を受けたことはございますか。わたくしは二度あります。一度目は一九八三年十二月に札幌駅地下のレード屋の店内BGMで聴いた達郎さんの「クリスマス・イブ」でした。間奏のコーラスに打ちのめされ、曲が終わると同時に矢も盾もたまらず店員にアーティスト名と曲名を尋ねました。二度目は一九九七年七月二十三日上野鈴本演芸場で聞いた古今亭志ん朝の……」
山下達郎 志ん朝（笑）。
竹内 「……『風呂敷』です」
山下 風呂敷（笑）。
竹内 「広い宇宙に志ん朝とわたくしの二人きりになったような衝撃でした。まりやさんの体験をお聞かせ頂ければ幸いに存じます」。雷に打たれたような衝撃……
山下 ハハハ！
竹内 まあ、でも、あるとすればわたしはビートルズとの出会いなので、小学校……たぶん三年か四年のときにテレビで流れてきた「ア・ハード・デイズ・ナイト」が、えーと、森永ストロングチョコレートのコマーシャルで鳴った瞬間、「これは何！？」っていう感じだった。そのときモノクロのフィルムで……
山下 ヤァヤァヤァ……
竹内 『（ビートルズがやって来る）ヤァ！ヤァ！ヤァ！』が出たの。それがやっぱ衝撃だったね。……あなたは？
山下 わたしですか！？ わたし、あの、アレですよ、へそ曲がりですからね……
竹内 うん。
山下 でも、『青い影』かな。
竹内 ああ、プロコル・ハルムね。
山下 プロコル・ハルム。あれは……
竹内 何かこう、楽曲でね、打たれるっていう……
山下 あれは一番聴いたシングルの一枚だから。
竹内 擦り切れるほどね。
山下 一枚擦り切って、もう一枚買ったから。
竹内 あたしエレクトーン習った、そのきっかけがプロコル・ハルムのあの曲を弾きたいと思って。
山下 あー、なるほど。
竹内 うん。
山下 あれは不思議なレコードなんだよ。モノラルだしね。
竹内 あと、もうひとつあるとすれば山下達郎のね、えと、千九百七十……九年かな、日本青年館ホールコンサート。
山下 フフ。
竹内 あれを見た一週間後が自分のデビューコンサートだったんだよ。もうわたしは一生ライブやりたくないと思いましたね、あのときに。
山下 俺のせいかよ（笑）。
竹内 いや、ホントに。あれを見たトラウマが、今のわたしを作ってるよね。
山下 そうかな（笑）。
竹内 衝撃でしたね。
Eテレ日本の話藝に五街道雲助の大山詣りを聞く。極上の高座なり。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭呂好の鐵砲勇助と笑福亭銀瓶のくつしやみ講釋を聞く。前者は昨年五月二十二日道頓堀角座、後者は去八月十三日神戶新開地喜樂館に於る口演なり。夕食後慈君と梨を食しつゝ大相撲秋塲所初日のテレビ中繼を見る。大關豪榮道魁聖を相手に爲す術なし。橫綱稀勢の里勢の引きを幸に辛くも白星を擧ぐ。中京テレビ笑點にオール阪神巨人の漫才を聞く。蟋蟀の聲夜每に多し。
今朝も雨なり。高田文夫著また出た 私だけが知っている金言・笑言・名言録②（新潮社）を讀む。NHKラヂオ第一眞打競演に宮田陽昇の漫才スポーツ大好き、北口幹二彦の物眞似、入船亭扇遊のねずみを聞く。NHK-FM邦樂百番に菊多嘉弘子が地唄蟲の音、中島警子が蟲の武藏野、祝典箏協奏曲を聽く。永六輔著坂本九ものがたり（ちくま文庫）を讀む。前書きにかえてと題する卷頭言深く心を撲つ。原文は坂本九急死の一箇月後雜誌話の特集に寄せしものなり。BS12夕やけミッドナイト寄席に笑福亭べ瓶のらくだを聞く。三重テレビ淺草お茶の間寄席に隅田川馬石が粗忽の釘、林家ひろ木がクイズの王樣、春風亭勢朝の池田屋前を聞く。
雨ふりてはまた歇む。BS朝日お笑ひ演藝館＋にU字工事の漫才、東京ボーイズの漫談、友近のコント、ナイツの漫才、玉川カルテットの歌謠浪曲、神田松之丞の和田平助、ピンクの電話と日本エレキテル連合の合同コント、ミスター梅介の法律漫談、コント山口君と竹田君のコントを聞く。午前齒科醫A氏を訪ひ左上の奧齒に詰物を入れる。治療僅二三分にて終りぬ。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。高田文夫著私だけが知っている金言・笑言・名言錄（新潮社）を讀む。長生きした若者はゐない（立川談志）、嘘をつくときはみんな眞顏（醉客）、むかふところ手品師（高田文夫）など思はず膝を打ちぬ。
輕陰。河畔を步す。風寒し。輕鴨九羽。未明北海道安平町震度六强の地震あり。道内全戶停電。平成七年阪神淡路大震災以來全國各地に巨大地震頻發す。NHK-FM浪曲十八番に富士琴美の生きる悲哀を聞く。曲師伊丹明。午後新興橋の畔なる自動車檢査登錄專門店に徃く。部品五點交換。作業は一時間弱にて終れり。工塲は壁一面に工具類整然と竝べられ工員みな禮儀正しく騷音大聲一切なし。店内はドトールUCCネスレAGF各社の咖啡無料にて飮み放題なり。家にかへりて高田文夫著ＴＯＫＹＯ芸能帖を讀む。Yahoo!基金に北海道地震義捐金を送る。野田秀樹東京演劇道場を設立するといふ。
隂また晴。川に沿ひて步む。風涼しけれど濕氣夥し。水嵩增して黃土色に濁りたる川に鵜二羽水にもぐるを見る。輕鴨五羽。綠陰步道に太き枝何本も折れて散亂す。落葉また狼籍たり。岸邊に雀、椋鳥、土鳩。NHK-FM邦樂のひとゝき淸元篇に清元延月知の玉屋と卯の花を聽く。旦暮蟋蟀の聲日每に多し。
雨雲空を覆ひて暗し。河畔を步む。今朝も輕鴨に逢はず。輕鴨のみならず雀椋鳥鵯土鳩鴉など小禽一羽も見ず囀りさへ聞えず。颱風の近きを察して樹幹や藪に身を潛めゐるなるべし。家にかへるや雨降出しぬ。市中の學校一齊休校す。嵐が來る前にといつもより早く混堂に徃き湯溫三十三度四分のシルク風呂に不感溫度浴をなす。圖書館に立寄りてかへれば正午なり。高田文夫著笑芸人 しょの世界を讀む。午後暴風雨襲來。午後四時頃風雨最も烈しくセキセイ鸚哥のアサリ君荒れ狂ふ天候に戰々兢々、番犬の如く吠ゆ。余が近寄りて、大丈夫だよ、と聲をかけるや啼き止みしに體は硬直せしまゝ微動だにせず。五時を過ぎて大風弱まりアサリ君の樣子平生に復す。
半陰半晴。坡上を步す。連日の雨にていつもより水嵩まさりたる川には輕鴨の姿なし。TOKYO FM落語千金に立川談笑の小言幸兵衞を聞く。NHK-FM邦樂のひとゝき地唄箏曲篇に清水のり子藤田真理の磯千鳥と平野麗子平野春海の新娘道成寺を聽く。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。高田氏松村邦洋爆笑問題三十周年紀念獨演會、月亭八方五十周年獨演會の報告を語らる。松本人志のすべらない話の淵源は月亭八方の樂屋話にありといふ。高田文夫著誰も書けなかった「笑芸論」（講談社文庫）讀了。誰も書けなかつたといふ看板に僞りなし。每日新聞によるにロッテの雪見だいふくは本來兎が月見をしつゝ食するものなりといふ。MBS動畫イズムらくごのお時間に桂米輝のつると笑福亭喬介の牛ほめを聞く。
何故にや未明午前三時に睡より寤む。折々雨ふる。ラ・バングアルディアにテアトラ・リウラ藝術監督リュイス・パスクアル辭任の記事を讀む。胸中察するに難からず。NHKラヂオ第一ラヂオ深夜便話藝百選に三遊亭天どんのさんま火事と桂枝太郎の不動坊を聞く。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑に柳家わさびの茗荷宿、林家つる子のスライダー課長、桂宮治の皿屋敷を聞く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに三代目三遊亭金馬の彌次郞を聞く。音源は昭和三十三年三月十六日文化放送金馬獨演會なり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり笑ひすぎなみ寄席に柳家小せんが盃の殿樣を聞く。TBCラヂオ魅知國寄席に桂小文治が竹の水仙を聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に桂小春團治が日本の奇祭を聞く。捧腹絕倒。昨年二月八日朝日生命ホールに於る口演なり。TOKYO FM山下達郎サンデー・ソングブックに竹内まりやとの第一囘納涼夫婦放談を聞く。
Eテレ日本の話藝に三遊亭圓窓の叩き蟹を聞く。見臺に膝隱しを据え板つきにて語り始めたり。足腰弱りたるが故なるべし。NHKラヂオ第一上方演藝會にティーアップの漫才愚癡聞いたるつちゆうねんと三吾美ユルの年寄り扱ひされたくないのを聞く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に桂咲之輔の鷺とりと笑福亭鶴志のへつゝひ盜人を聞く。中京テレビ笑點にが～まるちょばのパントマイムを看る。東海テレビちびまる子ちゃんさくらももこ追悼篇にまる子、きょうだいげんかをするとまる子、つづらの中身が知りたいを看る。
舊七月二十二日。細雨絲の如し。俄に寒し。池田清彦著人間、このタガの外れた生き物を讀む。高田文夫著誰も書けなかった「笑芸論」（講談社文庫）を讀む。NHKラヂオ第一眞打競演にチャーリーカンパニーのコント、堺すすむのなんでかフラメンコ岩手篇、三遊亭笑遊の祇園祭を聞く。NHK-FM邦樂百番箏曲篇に砂崎知子の八重衣、菊の榮、汽車ごつこを聽く。正午齒科醫A氏を訪ひ定期檢診を受く。左上の齒少しく缺けたるところに本日は樹脂を入れ、來週詰物を入れることゝなす。午後自働車の蓄電池を三年半ぶりに交換す。先日車檢專門店の工員檢査して曰く充電能力五割のみなればそろ／＼取替へるがよろしかるべしと云はれしが故なり。作業時間十分に滿たず。古き電池はGS YUASAの40B19L、新しきはパナソニックの60B19Lにて昨日Qoo10を通じて伊勢崎市の業者より購ひしものなり。代價四千九百九十圓。この業者は古き電池を無料にて囘收してくれるなり。