寒雨折々降る。咽頭炎を患ひて一週間を經しに未だ治せず。N子も時分時の外は臥牀に在り。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて六代目春風亭柳橋の掛取りを聽く。昭和五十年十二月十九日第百九十八囘東京落語會の口演なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて三遊亭笑遊の三軒長屋を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて春風亭柏枝の夢金、八代目春風亭柳橋の芝濱を聽く。@FMサンデー・ソングブックにて年末恆例山下達郎竹内まりや夫婦放談後篇を聽く。大滝詠一竹内まりやの二重唱戀のひとことは大滝が歌ふ姿をスタジオ關係者に初めて見せたる前代未聞の錄音なりしといふ。山下さへ大滝がスタジオの錄音室にて歌ふ姿を目擊したることなし。來春發賣せらるゝ星野源のYELLOW MAGAZINE 2017-2018に細野晴臣山下達郎星野源の鼎談掲載せらるゝ由。この日の曲目を記し置く。
ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭呂好の壽限無を聽く。TBSらんまんラヂオ寄席にて九代目入船亭扇橋の尻餠（昭和六十三年）、十代目金原亭馬生の芝濱（昭和四十一年）を聽く。TOKYO FM落語千金にて立川談笑の文七元結を聽く。四更ベランダに出づるに濃霧濛濛として街を罩め咫尺を辨せず。
快晴。N子發熱苦悶。終日臥蓐にあり。氣の毒なり。STVラヂオにて先代金原亭馬生の芝濱を聽く。昭和五十二年十一月十六日第四十九囘STVホール名人會の口演なり。晝夜門を出でず。
半陰半晴。寒冷前日に劣らず。N子風邪にて伏す。余も咳嗽甚し。午後いつもの溫泉に徃く。丸谷才一の隨筆集夜中の乾杯を讀む。
空は好く晴れしが北風吹荒れて寒氣甚し。わが網站の畫面左上に設置するナビゲーションメニューの意匠を改良す。每日新聞に立川らく次眞打昇進の記事を讀む。師匠志らく直筆の眞打認定證の寫眞あり。
真打認定証
弟子のらく次を真打に昇進させ升
弟子の中で技術は一番
あとは己のメロディを
創る事
華のある落語家に平成二十九年師走
立川志らく
この冬始て蜜柑を食す。二更地下鐵道驛にN子を迎ふ。今朝より風邪の氣味なりとてマスクを用ゐて鼻と口を覆へり。夜風冷なること氷の如し。丸谷才一の隨筆集犬だつて散歩するを讀む。
粉雪落花のごとく屋上にうつすら積りぬ。咽頭痛恢復しつゝあり。昨日は風邪ひきしにや筋骨輕痛をおぼえしが總合感冒藥ジキニンを服して眠るに忽ち藥效現れたり。NHK-FM邦樂のひとゝきにて現代邦樂を聽く。一曲目DOGU magicは作曲神坂真理子、尺八田辺頌山、箏木田敦子、十七絃丸田美紀。DOGUとは土偶の謂なり。二曲目アキは作曲廣瀬量平、尺八田辺洌山菅原久仁義。作曲者いはくアキとは季節の秋、また明らかのアキでもあり諦めのアキでもありといふ。雪は午に至りて霽る。
曇りて暗し。西北の風吹きすさみて寒し。朝餉を濟ませて春日井の動物病院に赴き愛鳥シヾミ君の肝臟と心臟の藥を貰ふ。古今亭志ん生の文違ひを聞きつゝ待つこと十分足らず、噺を聞き終らぬ中に處方されたり。市中至るところ電氣水道瓦斯また路面舖裝の修理工事あり。NHK-FM邦樂のひとゝきにて杵屋佐喜ほかの長唄二つ巴を聽く。午後いつもの溫泉に徃き湯溫三十三度七分のシルク風呂に不感溫度浴をなす。黑雲空を覆ひて微雨降來る。歸途主治醫を訪ひ藥を乞ふ。サンケイスポーツの記事によるに古今亭駒次、柳家さん若、柳家花ん謝、林家たこ平、古今亭ちよりん來年九月下席眞打昇進するといふ。BS12ミッドナイトよせ太郎にて瀧川鯉八の俺ほめ、昔昔亭A太郎の罪と罰、三遊亭めぐろが燒鳥の恩、三遊亭歌太郎の權助提燈を聽く。文化放送サンキュータツオと澀谷らくごにて古今亭文菊の芝濱を聽く。
曇りて暗し。風强し。咽頭痛堪へがたく午前耳鼻咽喉科に赴く。須臾にして偶然慈君もまた來院す。鼻の病治せず藥のみ貰ひに來たりと云はる。余の豫約番號六十番、慈君は百五十九番なり。待つこと十分ばかりにて余は診察室に呼ばれ、直に慈君も呼ばる。余等が家族なるを慮りて醫院職員氣を利かせ慈君を百人拔きにしてくれたり。診察時間僅三十秒。慈君と倶に竝びて鼻の吸入を行ひ藥をもらひてかへる。NHK-FM邦樂のひとゝきにて藤井泰和の地唄ゆき、鯉江丈山黒田煌山の尺八鶴の巣籠を聽く。昨夜のらんまんラヂオ寄席に出演せし三遊亭歌之介と三遊亭歌武藏が師匠三代目圓歌の思ひ出話を語るを聞く。法螺吹圓歌の生年につきては昭和四年說と七年說あり。歌之介は曾て師匠の母に師匠は四年生れですかと問ひしところ、そんな早く產んだ覺えはないと云はれたり。但し圓歌の履歷には四年と明記されたり。歌武藏が樂屋の噂を語るに、圓歌前座の頃春風亭柳朝が俺は昭和四年生れだと豪語するを聞き、柳朝の後輩になるを避けんがため俺も四年だと啖呵を切りしといふ風聞あり。後年敍勳の際も昭和四年生れにて押切らむとしたり。昭和二十年三月十日東京下町大空襲の折圓歌の戶籍謄本燒失したるをこれ幸に四年生れといふ主張を貫き通しけり。本年正月十日一門淺草に集ひて米壽を祝ひ、その後衰弱して他界し、通夜を濟ませて歌之介が師匠行きつけの湯島なる壽司屋に行きしに適カウンターの片隅に岩倉鐵道學校の一學年後輩の老人獨酌しをれり。歌之介が年齡を尋ねるに八十四歲なりとぞ。この證言を以て始て圓歌の生年は昭和七年、享年八十五なるを知り得て告別式にて發表したりといふ。歌武藏いはく、師匠は二つ目の歌奴時代に林家三平と倶に爆發的なる人氣を博したりしが故、若く見らるゝを虞れて年齡を上に鯖を讀みしなるべしとぞ。歌奴は三平と共に二つ目ながら鈴本演藝塲にてトリを取りたり。眼鏡をかけて高座に上がるのも圓歌が初めてなりき。其迄は女を演じるのに眼鏡は似つかはしからざりとて噺家は皆眼鏡を外すが仕來りなりき。歌武藏の兩親ともに昭和十五年生れにて、往事を語るにテレビジョンのどのチャンネルを囘しても出演者は歌奴と三平のみなりけり。歌之介いはく歌奴は名作授業中を一日十八席語りしことありといふ。歌之介にとりて師匠は超人なり。何處の高座にても常に客に受け、逸れざることなかりけり。三平は晚年客の受け惡くしどろもどろになりしを目擊せしことあり。歌之介は故郷鹿兒島の獨演會にては必ず鹿兒島弁を用ゐて笑ひを誘ふに共演の師匠には每囘及ばず、地元にてさへ師匠に勝つことを得ざりき。歌武藏は地元岐阜にて獨演會に師匠を招くと師匠は弟子を立てず爆笑に次ぐ爆笑をとり、ある客が計測器にて爆笑の頻度を數へしところ十秒に三囘ドカン／＼と客笑ひたりといふ。ワハヽという聲にあらずドーン／＼といふ地鳴りの如き笑ひなり。圓歌は自分の出番前にいかなる藝人が登塲しても驚かず、ツービートだらうがケーシー高峰だらうが構はず。ラヂオやテレビジョン番組の尺に對しても驚かず、四十五分でも八分でも融通無碍に噺を伸縮したり。記憶力もまた拔群なりけり。二十數年前に一度挨拶を交はしたることあるのみの歌武藏の友人に再會せし折卽座に名前を告げたり。歌之介も歌武藏も師匠が落語の稽古をする姿を見しこと一度たりとてなし。玄人は稽古姿を人前に晒すべからずといふ信念を曲げず。弟子にもあまり稽古をつけず。歌之介が敎はりしは湯屋番と子別れ、歌武藏は西行のみなり。歌武藏の電報違ひは、いゝよ、勝手に覺えろと默認されたり。落語は最短距離にて笑はせるべし、餘計なる言葉は省くべしと歌之介は師匠に何度も云はれたり。歌武藏は弟子をとる際腹が立つ時は小言を言ふなかれ、自分のことは棚に上げろと助言を受けたり。叱るは敎育、怒るは感情なればなり。稽古は仕事、高座は集金とは至言といふべし。晡時Eテレ日本の話藝にて柳家さん喬の笠碁を聞く。口演に聞覺えあり。電腦に收藏せし音源を閱するに本年正月八日に放送されし同番組の再放送と判明す。今宵も羊羹を作る。古今亭志ん生の落語を聽きつゝ弱火にて餡を練ること二時間半にて完成す。演目は大工調べ、權兵衞狸、猫の皿、火焰太鼓、淀五郞、厩火事、强情灸なり。BS日テレ笑點月曜なつかし版にて春風亭小朝の片棒を聞く。平成十六年一月十一日の再放送なり。
隂。風邪ひきしにや昨日より喉痛みて心地すぐれず。BS-TBS落語硏究會にて柳家小里んの三人兄弟、入船亭扇辰の藁人形を聽く。小里んの噺は通例三人息子と題するものなり。孝太郞銀之助吉松の放蕩息子の性格描寫に親父お袋加はり、幇間の善公、また吉松の惚氣話に登塲する吉原の女將と花魁のやりとり描くが如く噺に奧行あり。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて入船亭扇橋の饅頭こはいを聽く。TBCラヂオ魅知國寄席にて六華亭遊花がお春の初戀を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて桂咲之輔の手水廻しを聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂小春團治の創作落語職業病を聽く。本月二十一日ビジネスプラザ大阪にて催されし第七十四囘新世紀落語の會の口演なり。@FMサンデー・ソングブックにて放送二十五周年を紀念して去十一月二十八日東京FMホールにて催されし山下達郎難波弘之伊藤広規の通稱城北トリオによるアコースティック演奏會にターナーの汽罐車、Paper Doll、Bomber、Ride on Time、カラオケ版Re-Born、Have Yourself a Merry Little Christmas、White Chirstmas、再び三人のクリスマス・イブを聽く。NHKラヂオ第一上方演藝會にてボルトボルズと大木こだまひびきの漫才を聽く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭伯枝の手水廻しを聽く。去十月二十三日道頓堀角座の口演なり。午後六時寒天と粗目を平鍋に煮溶かし、昨宵作り置きたる漉餡を加へて練る。古今亭志ん生の芝濱、文七元結、藁人形、品川心中、拔け雀、大工調べを聽きつゝ練ること二時間半にて羊羹完成す。中京テレビ笑點にてサンドウィッチマンの漫才を聴く。長崎NBCらんまんラヂオ寄席にて三遊亭圓歌が中沢家の人々を聽く。
天長節なり。天氣連日限りなく佳し。NHKラヂオ第一眞打競演にて青空球児好児の漫才むつつり右門捕物帖、エド山口のギター漫談、古今亭菊之丞の火焰太鼓を聽く。道具屋が古き品物にて損したるは平淸盛の尿甁と岩見重太郞の草鞋ならず獨眼龍政宗の眼帶なり。BS-TBS落語硏究會にて五街道雲助の品川心中を聽く。サゲまでたつぷり語りたり。今年も御莭の羊羹を作る時莭とはなりぬ。昨夜より水につけ置きし小豆を弱火にてコト／＼やはらかく煮る。煮えし小豆を濾し器に入れては古今亭志ん生の落語を聽きつゝお玉杓子の腹を用ゐてゴシ／＼濾すを繰返す。漉餡を作り終れば日は晡なり。料理しつゝ聽きたる志ん生の噺は饅頭こはい、寢床、稽古屋、らくだ、唐茄子屋、芝濱なり。STVラヂオSTVホール名人會傑作選にて先代金原亭馬生の百年目を聽く。昭和五十五年五月二十三日第七十九囘STVホール名人會の口演なり。哀愁を帶びたる語り口は年の瀨の寒夜に聞くに似つかはし。来週の演目は芝濱なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にてカントリーズの漫才、東京ボーイズの漫談、三笑亭可風のおばゞサミット、宮田陽昇の漫才を聴く。東京ボーイズは仲八郎が英語にて唄ふシャンソン枯葉を菅六郎が頓珍漢なる日本語に飜譯するネタいつ聞きても樂し。
冬至。快晴。セキセイ鸚哥のアサリ君朝餉のサラドの胡瓜と自家製レーズンパンを食す。NHK-FMセッション二〇一七にて石若駿 Cleanup Trio featuring ニラン・ダシカの演奏を聽く。ドラムス石若駿、ギター井上銘、ベース須川崇志、トランペットはニラン・ダシカ。
S子自製のブラウニーを饋らる。午後いつもの溫泉に徃き不感溫度浴をなす。丸谷才一の隨筆集好きな背広を讀む。
快晴の空雲翳なし。コメダの喫煙席にて小倉トーストを食し咖啡を啜りて烟草を一服せむと衣嚢を探るに烟草も點火器も持參し忘れたり。幸にして時間に餘裕ありしかば家に取りかへる。カーラヂオのNHK-FMクラシックカフェにバレンボイムが洋琴を彈きつゝ指揮棒を振るベルリン交響管弦樂團のベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第一番ハ長調作品十五を聽きつゝ豐田學舍に赴く。年内最終授業なり。敎科書の課程は旣に學習し終りたれば會話の練習に終始す。ロイヤルホームセンターに立寄りセキセイ鸚哥の餌を購ひてかへる。NHK-FM浪曲十八番にて玉川福太郎の人情花吹雪を聴く。曲師加藤歌江。昨夜錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席にて立川談幸の鹿政談、笑福亭鶴光が生徒の作文を聞く。
晴。NHK-FM邦樂のひとゝき琵琶篇にて神田亜矢子の川中島、首藤久美子の雪晴れを聞く。今夜は中電ホールの柳家三三獨演會に赴く豫定なりしかど氣鬱烈しく中心街に出かける氣力なし。空しく家にとゞまりぬ。
曇りて暗し。北風吹きて寒し。NHK-FM邦樂のひとゝき大和樂篇にて大和左京の藤むらさき、大和美世濤の娘みこし、大和左京の鐘を聞く。BS12ミッドナイトよせ太郎にて瀧川鯉八が科學の子、昔昔亭A太郎の皿屋敷、三遊亭歌太郎が蝦蟇の油、三遊亭めぐろのコトブキを聞く。午後いつもの溫泉に徃き湯溫三十三度六分のシルク風呂に不感溫度浴をなす。圖書館に立寄りてかへる。丸谷才一が文藝評論集みみづくの夢を讀む。
晴。NHK-FM邦樂のひとゝきにて本年六月に催されし邦樂實技審査入賞者尺八佐田奏生の奧州薩慈、琵琶川嶋信子の本能寺、十一月の入賞者箏布村聰子の鳥のようにを聽く。午下理髮舖に徃く。この店は年中無休なりしに人員不足のため今月より火曜日休業する由ホワイトボードに告知あり。丸谷才一の小説輝く日の宮を讀む。興味索然たり。
陰晴不定。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて立川談志の道灌を聽く。昭和四十六年四月十四日NHK水曜寄席の口演なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて桂米福の味噌藏を聽く。おかみさんが懷姙を打明ける條より放送せらる。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて月亭天使の元猫を聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂南光の佐野山を聽く。平成二十四年一月二十七日大阪ABCホール朝日放送開局六十周年紀念上方落語をきく會の口演なり。アットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックにて年末恆例竹内まりやとの夫婦放談を聽く。竹内まりやの綽名はまあちやん或はまこちやん。兩親はまこちやんと呼ぶなりといふ。本日の曲目を記し置く。
Eテレ日本の話藝にて桂文珍のくしやみ講釋を聽く。NHKラヂオ第一上方演藝會にて女と男、平和ラッパ梅乃ハッパの漫才を聽く。中京テレビ笑點にてぴろきのウクレヽ漫談を聽く。TBSらんまんラヂオ寄席にて三遊亭圓生の一つ穴と掛取萬歲を聽く。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて立川がじらのロックンロールイズノットデッド、春風亭柳若が猫の皿、玉川太福が地べたの二人～道案内～を聽く。
曇天。NHKラヂオ第一眞打競演にてU字工事の漫才、松鶴家千とせの漫談、金原亭馬生の紙入れを聽く。慈君と倶に瀨港線なる家電量販店に赴きデロンギのオイルヒーターを購ふ。盖し余が睡房に暖房なきを以てなり。代價二萬圓。支那製。NHK-FM邦樂百番長唄篇にて芳村伊十衛杵屋佐臣が三曲糸の調、今藤美知杵屋佐臣稀音家六紗代芳村伊四が常磐の庭を聽く。每日新聞に海原やすよともこの取材記事を讀む。藝歷二十五年を經て猶出番は緊張するといふ。緊張しない藝人は駄目だとは立川談志の語りしところなり。STVラヂオにて先代金原亭馬生の天狗裁きを聽く。昭和五十四年三月二十七日第六十五囘STVホール名人會の口演なり。AFP通信社の記事によるに諾威の全國ラヂオ放送局FM放送を廢しデジタル音聲放送始まりぬ。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて三遊亭遊雀が熊の皮、桂小文治の野ざらし、桂竹丸の臺灣猿を聽く。BS朝日お笑ひ演藝館にてつぶやきシローの漫談、ニッチェの漫才、チャーリーカンパニーの大安賣コント、ベートーベン鈴木の滑稽歌、相席スタートの漫才を聽く。
快晴。昨日に比すれば寒氣稍ゆるやかなり。NHK-FMセッション二〇一七にてコントラバス金澤英明洋琴栗林すみれの二重奏を聽く。
午後ことぶきの湯に徃き不感溫度浴をなす。湯溫三十四度。體内と對外の境界消え去りて宛も湯と渾然一體となるが心地するなり。家にかへりて安野光雅大岡信谷川 俊太郎松居直編にほんご（福音館書店）を讀む。小學一年生を對象としたる日本語敎科書の傑作なり。標準語は言ふに及ばず手話點字外國語繪文字手旗信號まで扱ふなり。昨夜錄畫し置きたるNHK總合超入門落語THE MOVIEにて柳家三三の置どろ、柳亭市馬の掛取りを聽く。夜三更MOVIX三好十番館にてライアン・ジョンソン監督の活動寫眞スター・ウォーズ／最後のジェダイを看る。臺詞も演技もショットも何一つ心に殘らず。二時間三十二分はあまりにも長し。余は一時間ぐらゐ居眠りしたり。家にかへれば正に深夜十二時なり。
晴天。寒氣骨に徹す。氣溫零度。この冬始てタイツを穿く。コメダにて小倉トーストと咖啡を喫す。カーラヂオのNHK-FMクラシックカフェにイアン・ボストリッジが歌ふシューベルト作曲冬の旅を聽きつゝ豐田學舍に徃く。敎科書十四課を終へ、現在完了形を用ゐて實體驗を作文せしむ。未確認飛行物體を目擊したることあり、また幽靈を見たりしことありといふ學生あり。午下家にかへる。NHK-FM浪曲十八番にて玉川福太郎の靑龍刀權次より發端を聽く。曲師玉川みね子。昨夜錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席にて柳家小ゑんのぐつぐつ、三遊亭圓丈の漫談を聽く。藝歷五十三年の圓丈昔の思ひ出を語るを聞くに初高座は人形町末廣なりしといふ。客席は疊敷にて客十圓拂はゞ座布團を貰ひ、二拾圓拂はゞ粗茶と煎餠を貰ひ、三拾圓拂へば冬は手焙りを借りられし由なり。湯婆子をあたゝめて寢に就く。
乍陰乍晴。祁寒昨日の如し。NHK-FM邦樂のひとゝきにて清元寿美太夫の梅川を聽く。終日讀書。心樂しまず。
晴後に陰。氣溫攝氏三度。西北の風吹きすさみて寒氣甚し。セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君自家製白麵麭を啄みて飽くことなし。NHK-FM邦樂のひとゝきにて杵屋勝四郎の長唄綱館を聽く。午後いつもの溫泉に徃き湯溫三十四度のシルク風呂に不感溫度浴をなす。主治醫を訪ひ藥を請ふ。圖書館に立寄りてかへる。爐邊に讀書す。
陰晴定らず。NHKラヂオ深夜便話藝百選にて林家たい平のおかめ團子を聽く。朝飯を食して皮膚科に赴く。歸途カーラヂオのNHK-FMクラシックの迷宮にダイアナ・ストーンが奏するシュルホフ作曲ソナタ・エロティカ冒頭と洋琴家トマシュ・ヴィシェクが奏する五つのピトレスク第三曲時間のない未來のテンポでを聽く。後者は樂譜に休符のみ記されたる無音の音樂にて一九一九年の作品なり。ジョン・ケージの四分三十三秒に先立つこと三十三年なり。NHK-FM邦樂のひとゝき箏曲篇にて渡辺泰子が奏する菅公、落葉、三古谷裕と田中奈央一が奏する伏見を聽く。丸谷才一の隨筆集人間的なアルファベットを讀む。精神依然として朦朧たれど讀書の喜び少しく恢復しつゝあるを感ず。BS12ミッドナイトよせ太郎にて立川がじらが世界の終り、柳家小かじの三方一兩損、玉川太福の錢湯激戰區を聽く。
晴後に陰。寒氣日に／＼加はる。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて三代目三遊亭金馬の勉强を聽く。昭和三十三年六月一日文化放送金馬獨演會の口演なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて橘ノ圓滿の死神を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて桂宮治のちりとてちんを聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂米團治の掛取りを聽く。平成二十五年年一月二六日大阪シアターBRAVA第百十一囘上方落語をきく會夜の部の口演なり。Eテレ日本の話藝にて春風亭昇太の權助魚を聽く。NHKラヂオ第一上方演藝會にてタージンの漫談人望を集める男、海原はるかかなたの漫才もしも生まれ變るならを聽く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭由瓶の千早振る、桂春之輔の親子茶屋を聽く。TBSらんまんラヂオ寄席にてWモアモアの漫才、立川真司の鐵道物眞似地下鐵道と東北新幹線篇、昔昔亭桃太郎のお見合中を聽く。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて笑福亭希光の時うどん、三遊亭兼太郎が看板のピン、らく兵の親子酒を聽く。
晴後に陰。NHKラヂオ第一眞打競演にてチャーリーカンパニーのコント個人面談、堺すすむの漫談、三遊亭兼好の花筏を聽く。NHK-FM邦樂百番にて豊竹咲甫太夫が義太夫楠昔噺碪拍子の段を聽く。丸谷才一の對談集おっとりと論じようを讀む。STVラヂオSTVホール名人會傑作選にて十代目金原亭馬生のおせつ德三郞を聽く。サゲは「お材木で助かりました」にはあらず、おせつが川の水をしやくつて一口飮み、もう一口しやくつて「德や、お前もおあがり」なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて山遊亭金太郎が目黑のさんま、三笑亭可龍のねずみを聽く。
空は雨雲に覆はれて暗く晝も黃昏の如し。NHK-FMセッション二〇一七にて洋琴家ハクエイ・キム林正樹佐藤浩一の合同演奏を聽く。
Yahoo!ニュースに伊勢華子による内海桂子の長文取材記事を讀む。NHK-FM邦樂ジョッキーにて春日とよ栄芝の小唄まゆ玉やを聽く。LogoVistaの網站にて大修館書店日本語大シソーラスダウンロード版を購入す。代價一萬二千七十五圓也。午後ことぶきの湯に徃きシルク風呂に浸かりて不感溫度浴をなす。休憩所に大きなる風船のサンタクロース人形とクリスマスツリー立ちたり。歸途カーラヂオのNHK-FMオペラ・ファンタスティカよりソプラノ歌手の美聲聞ゆ。家にかへりて番組表を閱するに聲の主はクラッシミラ・ストヤノヴァなり。演目はザルツブルク音樂祭ドニゼッティ作曲の歌劇ルクレチア・ボルジアなり。丸谷才一のゴシップ的日本語論を讀む。昨夜錄畫し置きたるNHK總合超入門落語THE MOVIEにて古今亭菊之丞の幇間腹と春風亭一之輔の尻餠を聽く。
快晴。寒氣凜烈なり。自働車のフロントガラス凍りたるを解氷スプレーを用いて解かす。この冬始めて手袋をはめ襟卷をまとふ。コメダにて朝飯を喫す。カーラヂオのNHK-FMクラシックカフェにダニエル・バレンボイムが演奏するシューベルト作曲ピアノソナタ イ長調D六六四、フィッシャー・ディースカウが歌ふシューベルト作曲狩人の夕べの歌D三六八、プロメテウスD六七四、ドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響樂團が奏するベートーヴェン作曲プロメテウスの創造物序曲とシベリウス作曲交響曲第二番ニ長調作品四三を聽きつゝ豐田學舍に赴く。過去分詞の形容詞的用法を練習す。午下家にかへりてNHK-FM浪曲十八番に玉川福太郎の天保水滸傳より平手造酒の驅けつけを聽く。玉川みね子。THE PAGEの記事によれば今月二十一日なんばグランド花月改修工事を終へて新裝開業し、當日最初の出演者は海原やすよともこなりといふ。本來は驅出しの新人が登塲すべきところ兩名敢へて手を擧げて開口一番に名乘りたり。その心意氣や良し。余は大阪の中堅漫才師の中兩名の話藝を最も信賴するなり。
乍陰乍晴。昨朝靴下専門店Tabioに注文せし靴下二足早くも屆きたり。NHK-FM邦樂のひとゝきにて常磐津巴瑠幸太夫の角兵衞を聽く。丸谷才一の雜文集星のあひびきを讀む。海老一染之助歿。享年八十三。同じく丸谷の蝶々は誰からの手紙を讀む。腦味噌に薄皮張りつきしが如き心地して讀書意の如くならず。
半陰半晴。去日曜深夜聞きそびれしNHKラヂオ深夜便話藝百選の三遊亭小遊三鰻の幇間をNHKの網站にて聽く。解說者の柳家さん喬幇間の語源につきて語るに藝者が座敷に呼ばれる際太鼓を携へる役目の男ありけり、この男の客あしらい寔に巧みにて藝者以上に人氣を博し、あの太鼓持ちを呼べと引く手數多になりしに由來するといふ。幇間は人を助ける、人と人との繫がりを持たせる意味なりとぞ。日本國語大辭典を閱するに六齋念佛や紀州雜賀踊にては鉦を持たぬ者が太鼓をもつところより金持の遊興の席にて機嫌をとる、金を持たぬ者の意ならむといふ。大言海を繙くに六齋念佛ノ鉦持太鼓持ヨリ起リテ、金持ニ陪スル意ナリトイフとあり。NHK-FM邦樂のひとゝきにて今藤郁子の長唄紅葉詣、俄鹿島踊を聽く。樽柿の自家製干柿を食す。午後溫泉。家にかへりて丸谷才一の隨筆集猫のつもりが虎を讀む。文化放送サンキュータツオと澀谷らくごにて橘家文藏が猫の災難を聽く。
曇りて暗し。NHK-FM邦樂のひとゝきにて菊珠三奈子が奏する箏曲菊の朝（松竹梅手事菊聖公一）と國見政之輔の尺八眞虛靈を聽く。高田文夫のラジオビバリー昼ズに稀代のコメディエンヌ由紀さおり客演して忘れられぬ笑藝人三人を擧ぐ。三位コロムビア・トップ、二位三遊亭圓歌（歌奴）、一位初代林家三平。Eテレ日本の話藝にて鈴々舎馬風が猫の災難を聽く。聞き覺えのある口演なり。番組表を閱するに昨年六月十七日東京虎ノ門ニッショーホールにて催されし第六百八十四囘東京落語會の口演にて同年八月二十八日に放送されし番組の再放送なり。BS12ミッドナイトよせ太郎にて笑福亭希光のレジ・スタンス、春風亭柳若が看板のピン、三遊亭兼太郎のん廻し、らく兵の長短を聽く。らく兵は師匠立川志らくをしくじり亭號を剝奪されし由なり。
快晴。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて二代目柳家紫朝の粹曲を聽く。聲にえも言はれぬ艷あり。收錄年月日不詳。番組客演の弟子柳家小菊の談によれば紫朝は昭和二十年代新内を歌ひて寄席に入りしが辛酸を嘗め、高田浩吉やディック・ミネの聲帶模寫なども行ひたりしといふ。小菊が歌ふ品川甚句とびんほつを聽く。びんほつの音源は今夏發賣せられしCD粋曲～江戸のラブソング～なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて三遊亭遊雀の明烏を聽く。放送時間に限りある故若旦那が源兵衞と太助にお籠りをしたしと告げる條より放送せらる。ラジオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて瀧川鯉橋の佃祭を聽く。この番組は錄音品質頗わろし。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて笑福亭福笑の桃太郞を聽く。平成二十四年一月二十六日大阪ABCホールABC六十周年上方落語をきく會の口演なり。アットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックにドゥー・ワップ特輯を聽く。曲目を茲に記す。
番組に先立ちて放送されしサンデー・ソングブック二十五周年紀念特別番組に山下達郎の談話を聞く。山下氏が所有するレコードの數はアナログLP盤二萬枚、シングル二萬枚、CD六萬枚なりといふ。NHKラヂオ第一上方演藝會にてタナからイケダの子育ては大變、スマイルの癖に御用心、立山センター・オーバーのあゝ憧れのオリジナルカーを聞く。中京テレビ笑點に宮川大助花子の漫才を聞く。大助今年三度入院したりといふ。TBSらんまんラヂオ寄席にて柳亭小痴樂の一目上り、チャーリーカンパニーのコント個人面談、柳家小里んの棒鱈を聞く。TOKYO FM落語千金にて立川談笑の創作落語命のかねを聞く。
快晴。NHKラヂオ第一眞打競演にてWモアモアの漫才長壽天國、柳家紫文の三味線漫談、柳家權太樓のお化け長屋を聽く。紫文は火付盜賊改方の長谷川平藏ネタ十八年目を迎へたり。余はいつも隱れ切支丹の條に呵々大笑するなり。スポーツ報知の記事によるに職業レスリング選手ドン荒川逝去せり。享年七十一。NHK-FM邦樂百番淸元篇にて清元清寿太夫ほかの道中雙六と玉屋を聽く。STVラヂオにて金原亭馬生の明烏を聽く。昭和四十九年一月十七日第三囘STVホール名人會の口演なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて三遊亭歌橘が粗忽の釘と桂小南の甲府いを聽く。