曇りて涼しきこと昨日の如し。つく/\法師鳴出しぬ。妹甥は父上母上と倶に矢作川川口簗に徃きぬ。正午地下鐵道に乘りて新榮町下車、步みてメディカルクリニックに徃きカウンセリングを受く。夕刻RD父上と麻雀に興ず。
くもりて涼し。九時テニス講座に參加す。前期最終日なり。バックハンドの要領を漸く會得す。三時千葉のS子RとDを伴ひ來る。Rは早や中學一年、Dは小學四年になれり。日燒して黑きこと南國の少年のごとし。
晴れたる空には雲多く浮びて折々曇る。晝ぢかくに至りて驟雨あり。午後霽る。涼風炎暑を洗去る。朝食の後三郷やまとの湯に浴す。午睡より寤むれば午後六時なり。レスター大學エイドリアン・ホワイト敎授世界幸福地圖を發表す。上位二十ヶ國、主要國、最下位を記し置く。
一位 | デンマーク |
二位 | スイス |
三位 | 墺太利 |
四位 | アイスランド |
五位 | バハマ諸島 |
六位 | フィンランド |
七位 | スウェーデン |
八位 | ブータン |
九位 | ブルネイ |
十位 | カナダ |
十一 | 愛蘭 |
十二 | ルクセンブルグ |
十三 | コスタリカ |
十四 | マルタ |
十五 | 阿蘭陀 |
十六 | アンティグア・バーブーダ |
十七 | マレーシア |
十八 | ニュージーランド |
十九 | ノルウェイ |
二十 | セーシェル諸島 |
二三 | 亞米利加 |
三五 | 獨逸 |
四一 | 英國 |
六二 | 佛蘭西 |
八二 | 支那 |
九十 | 日本 |
一二五 | 印度 |
一六七 | 露西亞 |
一七六 | コンゴ共和國 |
一七七 | ジンバブエ |
一七八 | ブルンジ |
苦熱昨の如し。原稾二三枚をつくりて筆を擱く。スギヤマ本地が原店に車を停めサークルKにて金を下ろし、メガネのキクチに立寄りレンズを洗淨せしめ郵便局に徃き國民健康保險料を納む。森高新田白山交叉點、和食さとの跡地に大がかゝりな工事現塲あり。徃きて看板をみるに玉越本店改裝工事と讀めり。パチンコ屋の擴張工事なるべし。往來日傘さす婦人多し。黑い女の來るに逢ふ。桃色の花柄シャツ、綠の花柄スカート、オレンヂ色の運動靴を履き麦藁帽を被り彷徨すること例の如し。何處に住めるや。午後父上に誘はれ珈琲農園に徃く。談話一時間あまりにて家にかへる。晡下午睡。夕張市財政再建團體入り。ゆうばり國際ファンタスティック映畫祭中止さる。カリフォルニア熱波、攝氏四十七度死者百四人。
苦熱筆を執ること能はず。一〇一號室に入居者來る。引越トラックを見るとはなしに見るにカヌーのオール釣竿など幾本もあり。溪流下りの趣味人なるべし。久振りにS子より電子郵件あり。日曜甥R2D2を伴ひ里歸りする由。今日はテニス集中講座の日なれど水準高く余の手に餘れば徃かず。枕上つげ義春紅い花義男の靑春など讀む。
炎熱忍ぶ可らず。名古屋攝氏三十五度八分。午前病院に徃き主事醫に藥を乞ふ。八月の計畫を語るにF先生カルテの筆を止め視線を上げ宙を見つめ、いゝなあとしみ/″\呟かれる。午後父上母上靑少年公園を下見せらる。NEC La Vie にてミリオンダラー・ベイビーのDVD第二卷を看る。ジェームズ・リプトンのクリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンと卓子を圍みて語り合うさまを見て獨暗淚に咽ぶ。靑熊ビリーを演じたるルシア・ライカの面談にも淚禁じ得ず。余がミリオンダラー・ベイビーを始て看たりしは去年六月なり。開卷劈頭より壓倒され六月七月にわたりて活動寫眞館に通ひたること五囘に及びぬ。初更雷雨。
雨霽れて靑空に白雲多し。月初より靑空を見ること無かりければ目に染むばかりなり。蟬聲漸く多し。階下のセキセイ鸚哥の聲もおのづから勇しくなれり。中庭に十一二の少女一輪車にまたがり日陰に佇立みたり。脛を出して臥轉びゐる少女もあり。宛然畫中の光景人をして亂世を忘れしむ。筆進まず。午睡の中に半日を消す。燈刻事務處より電話あり。望外の報せ喜ぶべし。
雨ふりてはまた霽る。溽蒸忍び難し。碧空を仰がざること旬日なり。午前郵便局よりEMSにて書簡二通を西班牙に郵送して後いなやに赴き晝餉をなし三郷やまとの湯に立寄り露天風呂に浴す。東京四谷の文化放送この日港區濱松町に移轉す。新局舍初の放送は午後一時吉田照美のやる氣MANMANなり。
惡夢より寤め時計を見るに三時なり。曇天。風涼しきこと大暑とは思はれぬばかりなり。午前雨沛然として濺ぎ來るも二時間ばかりにして歇む。九州豪雨。鹿兒島熊本の雨量千二百ミリを超ゆ。前月來何の故とも知らず身心ともに疲勞し讀書興なし。ラヂオも聽かず臥褥に入りて惰眠を貪る。Juan de Loxa 氏の返書を得たり。日本劇團協議會新會長に文學座の戌井市郎選出さる。八十九歲。任期來年三月三十一日迄。
朝食の折ふと窓外を見るにベランダ欄干に蟬仰向けに橫たはりて動かず。須臾にして彈けるやうに腹ばいになるもふたゝび動かず。羽化して間もなき樣子なりき。燈刻父上東京より歸宅せらる。初更書齋の窗より外を眺むるに四軒家方面の空に時々閃光見ゆ。打上げ花火なり。
積雨始て霽る。NEC より筆記本電腦 La Vie 屆く。母上よりY叔父の近況を聞くに工事現塲の警備員を務めるといふ。初更ケリの啼くを聞く。靖國參拜をめぐる昭和天皇の發言錄發見さる。富田朝彦宮内廳長官の書遺したるものなり。後考のためこゝに記し置く。
私は 或る時に、A級が
合祀され その上 松岡、白取
までもが
筑波は愼重に對處して
くれたと聞いたが
松平の子の今の宮司がどう考
えたのか 易々と
松平は 平和に强い考が
あったと思うのに 親の心子知
らずと思っている
だから 私あれ以來參拜
していない それが私の心だ
雨今日もまた降りつゞきたり。中京大學にて前期試驗第二囘を行ふ。父上東上。余が懸孤の日なれど特に記すべきことなし。唯攝氏二十三度の涼しさを喜ぶ。蚊遣線香を焚くも一匹出でゝ眠り難し。
朝來大雨午後に至りて霽る。蟬鳴出づ。午前父上を車に乘せ病院に徃く。岩作の稻葉靑々として波のごとし。理髮舖に立寄り家にかへる。聯載原稾を書きはじめたれど興味來らず。公演企畫もまた妙案なし。筆を抛て舊き日錄を讀む。西班牙に遊びし頃の事歷歷として思ひ出さる。感慨極りなし。
淫雨歇まず。晝夜ともに家に在り。枕上井上ひさしの淺草フランス座の時間を讀む。武滿徹が初期フランス座にてピアノを演奏したりしを知る。喜劇役者の世界に於て淺草フランス座は東京大學、新宿フランス座は早稻田大學、池袋フランス座は立敎大學と呼ばれたりし由。淺草ロック座は日本大學、日劇ミュージックホールは東大大學院、日劇はハーバードのビジネススクール、映畫出演は大藏省にキャリア就職するが如しとぞ。
淫雨霏々。時々雷鳴。燕數多飛交ふ。讀書意の如くならず、何の故なるとも知らず睡魔に襲はるゝこと晝夜殆ど時を擇ばず。海の日の祝日なり。
陰晴定まらず。九時初級テニス敎室。ダブルス試合の眞似事をなす。バックハンド、ボレーともに少しく上達せり。午後雷鳴驟雨あり。雷聲を聞けば黴雨の時節は盡くと言傳るに、今日の空模樣にては猶覺束なし。NEC Direct に筆記本電腦を發注す。廉價一驚すべし。
炎熱燬くが如し。父上南山大學公開講座に赴くこと每週の如し。午後母上を伴ひコムロード、ケーズデンキ、コジマを巡りて NEC の筆記本電腦 La Vie の價格を調査す。廉きも十四五萬圓を下らず。夕刻驟雨。原稾四五枚かきたり。枕上和田誠、三谷幸喜のこれもまた別の話を讀む。
酷暑攝氏三十六度に昇ると云。多治見三十七度八分。午後中京大學豐田校舍に徃きて所用を辨じ貝津町ゼネラル石油に立寄り給油す。ハイオク壹百四拾圓。風あれど暑氣益熾なり。シロッコ(熱風)と呼びたきほどなり。夕陽燦然昨のごとし。
風なく炎暑甚し。午前中京大學にて前期試驗第一囘。講義棟正面の樹木に蜩の鳴くを聞く。梅雨もまだあけず蟬も猶鳴かざるに蜩の聲を聞は寔に怪しむべし。夕刻驟雨來りしが炎熱更に退かず。六時菖蒲池テニスコートに徃き集中講座を受く。ストローク、ボレーを練習して後男性四人二組に分れてダブルスのゲームを行ふ。余はゲームの心得なく苦熱忍ぶべからず困憊甚しければまともに打返すことも能はざりき。集中講座は余の手にあまるといふべし。夕陽明媚なり。
風なく曇りて溽暑忍ぶ可らず。筆記本電腦 ThinkPad i series 1800 の復舊に半日を消す。原稾二三枚ほど書き得たり。町役塲過日の健康診斷の結果を送來る。内科檢診いづれも正常値なり。余が鬱の快瘉を得るは果して何時の日なるや。
曇天。時々微雨あり。朝の中机に向ひて筆とらむとせしが心勞れて興來らず。飜譯ふたゝび頓挫。ジューン・アリソン歿。享年八十八。
曇りて蒸暑し。靜坐するも全身に汗にじみ出づ。一時メディカルクリニックに赴きカウンセリングを受く。收穫あり。クリニック界隈の辻々に警備員一名づゝ佇立みたるさま何やら事あり氣なり。高嶽交叉點に高級自働車レクサスの販賣店あるが故ならむか。出來町通りの信號機漸くダイオード式に交換さる。德川美術館南を過るに千代大海千代天山など九重部屋の幟林立するを見る。德源寺なり。ガソリンの價格ふたゝび騰貴してレギュラー壹百貳拾九圓より壹百參拾參圓、ハイオク壹百參拾九圓より壹百四拾四圓になれり。此日淺草寺四萬六千日の賽日なり。
曇天。溽暑坐ながらにして汗流るゝばかりなり。物書かむと机に向ひしが何といふ事もなく筆とるに懶く、昨年の日誌など讀返して徒に時を過したり。日曜なれどラヂオも聽かず。夕餉に自家製水羊羹を食す。
陰。朝驟雨あり。レノボよりファックスあり。ThinkPad i Series 1800 の部品は在庫なく舊臘晦日を以てサポートを打切りたれば修理すること能はざるなりといふ。僅か五年にて修理對象より外れる、これは新製品を買はしむる企業の策畧といふべし。余も同じ機種を日夜愛用、この抑鬱亭日乘も i Series 1800 にて書綴るなれば、もし故障すらば廢棄處分せざるを得ざるなり。西班牙アラバ縣にて鳥インフルエンザに罹りて死したるカイツブリ發見さる。父上の室蘭土產富留屋のあづき花を食す。枕上つげ義春ねじ式を讀む。
昧爽に起き出で旅裝をとゞのふ。遠くにケリの啼くを聞く。九時二十五分新幹線のぞみ號にて東上す。小島氏南麻布 CICADAにて午餐を饗せらる。ガルバンゾーのディップ、トスカーナ風パンザネラ、眞鯛のロースト・ローズマリー風味、ヘーゼルナッツクリームブリュレいづれも頗美味なり。歡晤時の移るを忘る。三時五十三分品川より新幹線のぞみ號に乘りてかへる。此日小暑。
陰。午前中京大學豐田キャンパスにて前期最終授業。昨夕の讀賣新聞によれば豐田キャンパスにアイススケートリンク建設さるゝ由。安藤美姬、浅田真央、小塚崇彦などの練習用なり。總工費十一億五千萬圓は同窓會の負擔なりとぞ。一時歸宅。六時杁ヶ池體育館テニスコートに赴き集中講座に參加す。余ひとり汗流るゝばかりなり。八時終了。歸途驟雨に値ふ。父上札幌より歸宅せらる。母上風邪。
雨降りてはまた歇む。九時半病院に徃きて藥を請ふ。待合一時間半、診察三分。睡眠藥を飮まずに眠ることを得たればエバミールとジプレキサは處方されず。院内芝生に燕の子あまた飛交ふ。芝の上に留まりたるは親ならむ歟。白鶺鴒一羽飛來りて小走りにあゆむを見るに、怪我を負ひたるにや尾右に折曲りゐたり。燕の飛翔いつまでも眺めて倦むことなし。正面入口にてタキシ運轉手麵麭の屑を雀に投げ與ふ。岩作一帶の水田一望靑綠染むるが如し。ケーズデンキに徃きビデオテープ六卷購ひ町立圖書館に立寄りてかへる。午後疲勞して眠る。夕餉の後NHK衞星第一放送にてサッカーワールドカップ準決勝、獨逸對伊太利戰を看る。延長戰後半終了間際グロッソ、デルピエロつゞけざまにゴールを奪ふ。兩國いづれも守備堅牢にして攻擊果敢、日本は遠く及ばざるなり。
松本タイヤの宣傳文
世の中いろいろありますが
當店はいつでも安いです
快晴の空午後に至りてくもる。新聞各紙中田英壽の現役引退を報ず。FM愛知にて七尾藍佳シックスセンスを聞く。スポーツライター小林某中田の引退宣言文を評して小學生の作文のやうな文章といふ。余も同感なり。スポーツニッポンの報ずる處によればハーバード大學にて經營學修士を取得する計畫なりといふ。亞米利加の反戰運動家シンディ・シーハン、マイケル・バーグらホワイトハウス前にてハンガーストライキ決行。シーハンはイラクにて殺害されたる兵士の母、バーグは武裝集團に斬首されしニコラス・バーグの父なり。衞星放送にてシーハンの演說を聞くに米兵はイラクにて犯罪を犯しゐるなり、米軍はイラクより卽時撤退すべしと擴聲器にて訴へる。Troops Home Fast といふ運動なり。此日亞米利加獨立紀念日。バレンシアにて地下鐵道脫線事故あり。讀書執筆興なし。O孃に端書を送る。正月以來音信なければなり。京都のT 君より電話あり。體調思はしからず仕事もせざりといふ。炎暑甚し。
當世靑年男女の用語
カロリーボンバーな食べ方しますね
非常に惱ましい
エロかっこいい
半陰半晴。時ゝ小雨あり。昨夕スモールライト消忘れバッテリー切れたればJAFを呼ぶ。今年三度目なり。充電しがてら多治見に徃く。紺屋田交叉點東に東京大學演習林あり。東古瀨戶町交叉點にいつしかダイソー出店しゐたり。高田文夫ビバリー晝ズを休みて早や二箇月半たちぬ。
朝の中小雨降りしかど須臾にして霽る。九時菖蒲池テニス遊戲塲に徃き庭球敎室に參加す。榊原さん余に上達しましたねと言はる。雀一羽飛來りてネットに留り見學するさま愛すべし。フォアハンド、バックハンド、ボレーを練習して後ラリーに挑戰す。十一時解散と同時に雲來るや雨沛然として濺ぎ來ること盆を顚すがごとし。晡時雨またふる。夕食の後衞星第二放送にてサッカーワールドカップ佛蘭西對伯剌西爾の錄畫を見る。ジダン攻守ともに精彩を放つ。父上所用ありて札幌に出向く。
舊六月六日。午前四時に眠より寤むること昨の如し。曇りて蒸暑し。朝餉を食しつゝ窗外をみるに燕の子親鳥に從ひて飛行訓練をなす。この子やがて秋風立つころには親鳥諸共故郷にかへるべきを思へば、余の再び獨居を得るは果して何時の日ならんと、居候の身を顧み淚なきを得ず。多年の憂鬱いよ/\甚しくこの春より筆硯殆ど廢絕するに至りぬ。今夏はじめて空氣調節器を入れ室内除濕す。橋本龍太郎歿。行年六十八。安岡力也ギラン・バレー症候群にて緊急入院。煙草また一割値上マイルドセブン貳百七拾圓なりしを參百圓となす。マールボロ參百圓の處參百貳拾圓。