theatrum mundi

文字の氾濫

たまにしか見ないテレビジョン受像機のスイッチを入れると、画面が文字で覆われている。NHKであれ民間放送であれ、画面の半分は文字に支配される。四隅には番組を告知する文字が常時映し出され、話者が発する言葉もまた文字となり画面の下に絶えず表示される。情報番組やワイドショーは文字をびっしり並べたパネルを大写しにし、映像は静止したままだ。コマーシャルは巨大な文字が跳梁跋扈する。動く映像と音声をリアルタイムで伝えるメディアだったはずのテレビジョンはすでに死んで久しい。

2026年2月16日


主語と目的語

往来を携帯端末が人間を引きずってゆく。人間どもは背を丸め、眼はガラスの板に吸いついたまま、携帯端末に手引きされてとぼとぼと歩を進める。携帯端末はときどき人間を釈放し、地面に落下して様子を窺う。釈放された人間は、たまの自由を謳歌すればよさそうなものを、もっと束縛してくれと言わんばかりに拾いあげ、携帯端末に身をゆだね、再び体をくの字にして引きずられる。携帯端末と人間の関係は、前者が主語、後者は目的語である。

2026年2月13日


謹賀新年

むうむうここ数年休眠状態が続いております当サイト、今年は覚醒したいと思っておりますが、はたしてどうなりますやら。みなさんにとってよい年になりますように。

2026年1月1日


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