くもりて夜雨。中央共同募金會に中越地震義援金を送金す。
雨。終日困臥。ゼミ同窓會の日なれど徃かず。
中村雀右衞門文化勳章。井上ひさし蜷川幸雄山田洋次文化功勞者に選ばる。DVDにてデイ・アフター・トゥモローを看る。當世の聖林には珍しき反米活動寫眞なり。
終日困臥。DVDにてキル・ビル Vol.2 を看る。退屈なり。滿月の光冱渡りて風もなし。ボストン・レツドソックス優勝す。二十九日記す。
幾望の月皎々と照りわたり風冷なり。二十九日記す。
終日困臥。晡時主治醫の診察を請ふ。トフラニール追加處方さる。月明なり。二十九日記す。
内科に徃き檢査を受く。身長體重視力を測り心電圖レントゲン眼底撮影をなす。NHK-FM終日安否を報ずること昨の如し。初更三好に徃きウォン・カーウァイの2046を看る。
晡下寤む。NHK-FM終日安否を報ず。死者二十三人、負傷者二千人を越ゆ。政府地震調査委員會臨時會開かる。原因特定できずといふ。ワシントン・ポスト紙ケリー支持を表明す。NTT加入權七年後廢止さるゝといふ。詐欺と謂ふべし。二十五日記す。
僅に三時間ほど眠るを得たり。九時二十三分の新幹線にて新大阪を發つ。車内乘客數名ほどなりしかば京都驛にて中年の團體客押寄せ忽ち滿席となりぬ。周圍を憚らず麦酒を幾杯も飮み大聲をあげ宴會をなす。田舍者の本性を露して愧じざるなり。桂川に流木五六本あり。過日の颱風に流されたるものなるべし。十一時半歸宅。六時頃買物をなさむと車を馳せるにカーラヂオ地震を報ず。新潟市小千谷市にて震度六强。今年ほど災害多きは罕なり。M氏より來書あり。今朝父倒れ帝京大學附屬病院に緊急入院したる由。一過性虛血發作或は腦梗塞と云。
十時半惡夢より覺む。午後一時半起出づ。三時四十五分新幹線にて大阪に徃く。ホテルに荷を解き地下鐵にて南港ふれあい港館特設會塲に徃く。七時半維新派キートン開演。好ましい細部はあれど退屈なり。惡寒を覺え終演二十分前に劇塲を出づ。十一時ホテルにかへる。睡眠藥を飮むも睡ること能はず。三更梅田をあゆむ。二十三日記す。
ロベルト戲曲十四篇送らる。夕刻疲勞し橫臥。二十三日記す。
暴風雨。雨聲轟々として窓を震動せしむ。イラクの劇團アル・ムルワッスの公演日なれど惡天のため徃かず。維新派今日も中止なり。六時過ぎ最もはげし。書齋雨漏る。二更風死す。
睡ること能はず。糠雨朝まだきより降り籠めて暮方より大雨となる。午前主治醫の診察を乞ふ。睡眠藥倍增す。わが國の人口はじめて減少す。松竹忍ファンド好評といふ。
晝過起出づ。天氣快晴。風しづかなり。讀書門を出でず。紐育タイムズ紙昨日の社說に Kerry For President と見出を揭げ、ジョン・ケリー候補支持を表明す。涼風水の如く屋角に纖月の懸かれるを見る。
一睡もせず夜を明す。晴れて好き日なれど家に留まる。DVD五枚賣卻、臨時收入九千六百圓。靑少年の自殺願望を高める懼れありとて米國食品醫療藥品局全ての坑欝劑にブラｯクボｯクス警告を表示せしむ。トフラニール、ルボックス、パキシルなど余が親しむ藥も例外ならず。
午後三時起出づ。晴れてあたゝかなり。鵯の聲もおのづからたのしげなり。窗外蝙蝠亂舞す。季秋この方新聞紙の記事は日を追ふに從つて益甚しく人をして絕望悲憤せしむ。每日新聞に、浦河町の女言ふことをきかぬ五歲の長女を叱り牧塲に連出し全裸にて放置したる記事あり。氣溫五度なりと云。また阪南市にて母親と内緣の夫十九歲の息子に熱湯をかけ餓死せしめたる記事もあり。體重僅か三十二キロ。容疑者の男女は空罐囘收などして相識り泉南市の河原に小屋を建て同居しゐたりとぞ。ジヱズィット宗の敎育家と雖もかくの如く殘酷にはあらざるべし。
寤むれば日は旣に沒したり。ベルリン州立歌劇塲武滿徹マイ・ウェイ・オブ・ライフ初日。指揮ケント・ナガノ。
午前七時まで眠れず。睡眠藥を飮み午後七時まで眠る。町田康の日記と抑鬱亭日乘を倂讀する人のあるを知る。四年生Aさん卒業論文第一稾を送らる。大阪なんば Hatch にて中島らも追悼集會うたつておどつてさはいでくれ Ramo Real Party 開催さる。三上寛チヽ松村大槻ケンヂ古田新太宇梶剛士町田康モブ・ノリオなど參加。カルメン故郷に歸るの白黑版來年發賣。過日露西亞北オセチアのテロ事件を巡りてプーチン政權を批判せしイズベスチヤ紙編輯長解雇され、二十六歲のウラジーミル・ボロジンが新編輯長に就任す。是日部分日蝕。一五日記す。
終日褥中に在り昏々として眠る。市中金木犀の香り馥郁たり。ギャガ・コミユニケーシヨン經營不振、有線ブロードネットが百億圓出資し子會社化するといふ。談志百席錄音始る。三人旅、目黑のさんま、こんにやく問答、王子の狐、道具屋、近江百景、轉失氣、平林など。チャベス大統領支持者カラカスのベネズエラ廣塲にてコロンブス像を引倒しぬ。一五日記す。
眠られぬまゝ黎明に至る。くもりてむしあつし。市内半袖ノースリーブの者多し。新域名 theatrum-mundi.com を取得す。DVD十枚ほどヤフー・オークションに賣出す。A内科より電話あり。人間ドックの日程につきてなり。昨日NHK全國學校音樂コンクールあり、札幌北高校銀賞を獲得せり。
快晴。終日褥中に讀書す。衞星第二にてエノケンのちやつきり金太を看る。クリストファー・リーブ紐育にて歿。年わづかに五十二。リーブの傑作はある日どこかで Somewhere in Time なり。今秋の臨時國會にて審議さるゝ共謀罪につきて東京新聞八月の記事を讀む。國家による監視體制いよ／＼强まりゆくなり。互聯網の噂によれば揭示板の冗語も軈ては制限せらるべし、世の中は遠からず戰前の如くになるべしと云ふ。折しも季刊雜誌前夜創刊さる。いかなる巡りあはせにや余の身も不可思議なる時代に生れ合せたるものなり。
午後三時。倦怠感甚しく一步も外に出でがたし。オスカー・ピーターソン大阪公演の日なれど徃かず。深更NHK總合にてさらば日劇と東京の山賊をみる。東京の山賊は作者永六輔も散逸せしものと思ひゐたりし逸品なり。三十五ミリフイルムに收錄されたればその畫質活動寫眞に劣らず。関口宏由美かおる初々し。思ふに昨今の上戶彩は若き由美かおるに髣髴たり。ジャック・デリダ歿。膵臟癌の由。行年七十四。十一日記す。
午後三時過まで輾轉反側す。風雨やみ空晴る。維新派キートン今日も中止なり。此日夕刊新聞に中日劇塲にて觀客殺傷さる。下手人其塲にて捕はれ、被害者病院にて死亡せし由。演目は名古屋大安吉日物語、愛川欣也山田昌主演。十一日記す。
午後五時まで昏々と眠る。大雨。維新派キートン初日颱風のため中止さる。昨夜來意氣阻喪し何事もなし得ず、たゞ輾轉反側するのみ。十一日記す。
聯日早曉まで眠ること能はず。二時四十五分起出づ。昨夜の雨晴れて小春の日和なり。ベランダに餌あさりに來る雀の聲もたのし氣なり。執筆日課の如し。ノーベル文學賞エルフリーデ・イェリネクに決りたりといふ。
天氣好晴。暴に薄暑を催す。喉に輕痛を覺ゆ。終日執筆。七枚ほど書き得たり。散髮。越南國營放送同性愛のドラマを放映す。ハイチの洪水死者三千名を越ゆ。名古屋市營地下鐵名城線環狀運轉開始。
八時半頃地震あり。雨。午前主治醫の診察を請ふ。ジャネット・リー歿。享年七十七。朔に病沒したりし金久美子昨年六月に胃を摘出したるに、關係者は胃癌なるを知り居たりしが本人には胃潰瘍なりと傳へたりといふ。三月のアジアン・スイーツ公演に主演したるのも、舞臺を務めさせたいといふ關係者の計らひなりとぞ。衞星第二にてレイ・チャールズ・フォーエバーを見る。六日記す。
灰色に空曇りて涼味襲ふが如し。執筆忽ち日は晡となれり。皮膚科に徃かんと駐車塲に降りエンジンをかけるや、先生と聲をかけ小走りに來る女性あり。元同僚大島もえ市會議員なり。肩より提げたる鞄に桃色のチラシ數多あり。自ら執筆意匠を施したる後援會々報を市内二千世帶に配布する最中なりとぞ。久振の邂逅を互ひによろこび、市塲の惣菜からイラク戰爭天下國家を論ずること一時間半に及ぶ。政策實現の難しさ、とりわけ役人を說得する困難を語られ、先生のやうな方だと話が樂なんですけどねえと苦笑せらる。市の事業處數は鰻登りにして全國十八位なりと聞き一驚を喫す。五時半皮膚科に藥を請ふ。醫者は風采の上らぬ小男なり。椅子にふんぞり返りぼそ／＼と口籠るばかりなれば不愉快極りなし。この頃夕方五時半を過ぐればあたりは暗し。東京家庭裁判處カルーセル麻紀の性別變更を諒とす。戶籍上も女になれり。イチロー今季最終試合。二百六十二安打、打率三割七分二厘。首位打者二度目なり。
陰のち雨。終日手紙をしたゝむ。じゅんやさん著書フランス語における證據性の意味論を惠贈せらる。謝辭に余の氏名あるをみて一驚を喫す。直に書を裁して厚意を謝す。昨日市川團十郎退院記者會見に臨む。急性前骨髓球性白血病のため五月より入院し居たり。パウエル米國務長官白耳義外務大臣との會談にてイラクに大量破壞兵器の存せざるを明言す。是日イラク獨立紀念日。イチロー二百六十安打。一試合を殘すのみ。
今日も覺むれば正午なり。陰。網站の檢索文字列にイチローの名多し。衞星第二放送にてイチロー年間安打記錄を樹立したりしを知る。淚澎湃と溢れて止ず。處はシアトル・セーフコフィールド、背番號五十一番、二百五十八本、米時間午後七時五十四分。試合後ダグアウトにて日本のインタヴューに、小さきことをこつ／＼積上げるのが、とんでもないところには到達するたゞ一つの道ですと荅ふ。イチローと同時代を生きる幸福よ。西班牙政府同性間の婚姻を認める法案を了承す。來年施行。歐州聯合にては阿蘭陀白耳義に次ぎ三番目なり。姬神の星吉昭病沒。行年五十八。深更金久美子の訃報に接す。行年四十五。
睡より寤むれば正午なり。快晴。雲翳なし。片脚雀ベランダに來ること例の如し。終日讀書。屆きしばかりの UCYMOを聽く。音像の鮮かなるさまに一驚を喫す。いづれも初て耳にしたる心地す。