晴。アサリ君今朝も水浴びをなす。靜岡縣立大學と兵庫縣立大學の英語入試問題模範解答を作成す。Eテレ日本の話藝に五街道雲助のお初德兵衞を聽く。名調子なり。この日東京都知事選擧あり、極右政治家小池百合子當選す。元千代の富士九重親方歿。享年六十一。强さは云ふ迄もなく四股を蹈む形の美しさ比類なかりけり。現役力士の中にては遠藤の四股千代の富士に髣髴たり。
陰後に晴。セキセイ鸚哥のアサリ君朝早くより鳥籠の水入れに腹を浸して水浴びすること幾囘なるを知らず。NHKラヂオ第一キャンパス寄席を聽きつゝ奈良敎育大學の英語入試問題模範解答を作成す。午後愛媛大學の模範解答を執筆す。三重テレビ淺草お茶の間寄席に春風亭一之輔の浮世床、古今亭文菊の替り目、春風亭百榮の手水廻しを聽く。結構なる顏付けなり。
陰後に晴。中村紘子歿。行年七十二。福井大學の英語入試問題模範解答を作成す。午後ことぶきの湯に赴き一浴す。赤蜻蛉の飛ぶを見る。稻葉町の水田に小鷺數多憩へり。
隂。疎雨。コメダに朝飯を喫す。燕の未だ南に去らざるを見る。九時出勤。今朝も鶯語をきく。前期定期試驗を行ふ。缺席者なし。家にかへりて電氣通信大學と福井大學の英語入試問題模範解答を作成す。
陰天。旦夕の風は相變らず肌寒きばかりなれど日中はやゝ蒸暑し。一週間ぶりに空調機を用ひて除濕す。セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君サラドのレタスを旨さうに食ふ。佐々木孝先生ご夫妻の取材記事withnewsに揭載せらる。一讀人間かくあるべしと思はしむ。滋賀大學大阪敎育大學宮城大學の英語入試問題模範解答を作成す。
陰雨空濛たり。福島大學群馬大學滋賀大學の英語入試問題模範解答を作成す。午後ことぶきの湯に一浴す。
薄く曇りて風爽かなり。書齋と寢室の塵を掃ふ。去木曜BSプレミアムにて錄畫せし市川崑の活動寫眞黑い十人の女を看る。船越英二しだらなき男を好演、宮城まり子の不甲斐なさ滑稽味を添ふ。
くもりて涼しきこと連日の如し。NHK總合演藝圖鑒に三遊亭王樂の鼓ヶ瀧を聽く。BS-TBS落語硏究會柳家喜多八追悼特輯に盃の殿樣と明烏を聽く。マクラにて規則正しい不攝生といふ惹句を呟き病魔をも笑ひの種にする藝人根性悲壯といふべし。Eテレ日本の話藝に三遊亭遊三の拔け雀を聽く。NHKラヂオ第一放送に大相撲名古屋塲所千龝樂の中繼を聞く。豫想に違はず日馬富士優勝す。
けふも曇りて風涼し。NHKラヂオ第一眞打競演に柳家紫文の三味線漫談、五街道雲助の子別れを聽く。Y氏新譯書ロベルト・ボラーニョ著第三帝國を惠贈せらる。NHKラヂオ第一に大相撲中繼を聞く。東前頭十五枚目に北磻磨といふ力士あり。播州生れなれば播磨と書くべきところ、何の故にや磻の字を用ゆ。夕餉の後チャメといふ韓國の甜瓜を食す。三重テレビ淺草お茶の間寄席を見る。三遊亭歌る多片棒は三兄弟の代りにおきん（金）おぎん（銀）おてつ（鐵）の三姉妹を登塲せしめ、持ち時間の都合上三女は省畧したり。林家ぼたん半分垢は語り口いつもながら丁寧なれど滑稽味に乏し。五街道雲助が辰巳の辻占いつ聽きても佳し。
雨もよひの空暗し。風凉しく大暑の節とは思はれず。Eテレえほん寄席に柳家さん喬のねずみを聽く。繪は和田誠なり。朝食を終へて直に理髮舖に徃く。開店十五分前に赴きしに先客三人旣に列をなして待てり。曉明錄畫せしBS-TBS落語硏究會に三遊亭歌武藏の五貫裁きを聽く。語りは立て板に水の如くダレ塲一切なし。夕風水の如し。
曇りて朝の中は風爽かなり。咖啡所コメダに朝飯を喫す。何の故にやこの頃客少し。九時出勤。今朝も鶯の囀りに出迎へられたり。前期最終授業を行ふ。來週の試驗に備へて敎科書五課より八課の復習をなす。一所懸命勉强する學生の姿はいつ見ても麗し。午下家にかへる。アマゾンより屆きし高島俊男著漢字と日本語を讀む。昨夜錄畫せしBS日テレ笑點特大號に月亭方正の手水廻しを聽く。
晴。いよ／＼土用の暑さになりぬ。瀧野川なるM氏余の誕辰を祝して電子繪葉書を寄せらる。慈君余が好物アンテノールのモンブランを購ひ來らる。夕餉に鰻重を食す。余が日夜愛用する桌上型電腦のメモリ時々重くなるなり。是迄はAutoHotkeyのスクリプトを用ひて全プロセスのメモリ解放を手動にて行ひ來りしが、同じ作業を自動化する方法を見つけたり。マイクロソフト社のResource Kit Toolsに含まれるempty.exeをタスクスケジューラに登錄すればよし。手順を懇切丁寧に圖解する網站の說明に從ひ、Resource Kit Toolsを安裝し、empty.exeをC:\Windows\System32に複寫す。次に下記の命令文をエディタに記して擴張子をvbsに設定し任意の塲所に保存す。
Set emp = CreateObject("Wscript.Shell")
emp.run "cmd /c empty.exe *",vbhide
あとはこのファイルをタスクスケジューラに登錄するのみ。十五分ごとにメモリを解放するやう設定したり。
天氣好晴。土用に入る。正午氣溫早くも攝氏三十三度に達すれど乾きたる風心地よし。前期定期試驗問題を作成す。咖啡を瀹て成田市米屋の鹽金鍔を食す。頃日この菓子屋の鹽餡饅頭鹽大福など食ふなり。發汗著しき時節に鹽氣はまことに佳し。晡時主治醫を問ひ藥を乞ふ。ことぶきの湯に立寄りシルク風呂に不感溫度浴をなす。はこだて未來大學英語入試問題の模範解答を作成す。
晴。梅雨あけて炎暑の日來る。本年は梅雨に入りてより卻て雨なかりき。九州のみ豪雨ふりたり。海の日祝日。NHKラヂオ第一に大相撲中繼を聽く。白鵬と日馬富士ともに負けたり。BS日テレ笑點デラックスにオール阪神・巨人の漫才と春風亭昇太がリストラの宴を聽く。平成十三年十一月の高座なり。BS11イレブン寄席に武家噺特輯を聽く。三遊亭兼好が粗忽の使者は病的なる慌て者の言動いと可笑し。入船亭扇遊の棒鱈は芋侍の田舍漢ぶりを更に强調すべし。
曇りて風涼しきこと連日の如し。NHK總合演藝圖鑑に柳亭小痴樂の一目上りを聽く。語りのテムポよく小氣味よし。Eテレ日本の話藝に桂福團治の南京屋政談を聽く。江戶の唐茄子屋政談なり。古今亭志ん朝に敎はり師匠春團治と相談して上方風に拵へたりと云ふ。見臺膝隱しは使はず。春團治に髣髴たる端正なる語り口、思はず噺に引きこまれたり。
けふも曇りて涼風炎暑を洗去る。土耳古にて軍事政變あり。エクトル・バベンコ歿。享年七十。名畫蜘蛛女のキス忘れがたし。NHKラヂオ第一眞打競演にビッグボーイズの漫才、エド山口の漫談、三遊亭笑遊が蝦蟇の油を聽く。三重テレビ淺草お茶の間寄席を見る。柳家小はん二人旅は寄席ならでは聞けぬ枯淡の味はひなり。漫才師ロケット団の三浦昌朗左足を引きずりながら登塲す。三月中旬走來りし自轉車を避けむとして轉倒し膝を骨折したりといふ。三遊亭歌之介が母のアンカを聽く。軍事政變は未遂に終りたり。NHK總合超入門落語THE MOVIEといふ番組に柳家三三がお菊の皿、春風亭一朝の庖丁を聽く。
曇りて風涼し。小說言葉におぼれて執筆再開。母上紫蘇果汁を作らる。午後ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。便利店に本年度の國民健康保險稅を納め、リミックス二階なる小動物專門店ペポニに立寄りセキセイ鸚哥のペレットを購ひて家にかへる。黃昏乘合自働車と地下鐵道を乘り榮に出づ。便利店に立寄りアイスコーヒーを飮む。中部電力本社前にて濱岡原子力發電所再稼働反對の示威運動あり。中電ホールに赴きO列五番の座席に坐る。柳家三三ひとり會なり。空席ちらほら見ゆ。開演時刻の六時三十分を過ぎても出囃子鳴らず。十分ほどして漸く緞帳あがる。さては寄席のトリが長引き未だ名古屋に到着せざるなるべし。開口一番柳家わさび黑紋付の羽織を着て登塲す。出演せし林家しん平監督の活動寫眞落語物語の逸話など語りて後、三三師匠まだ來てゐないんです、樂屋が大騷ぎでして、しかもわたしの持ち時間が四十分と告げるや聽衆やんやの喝采を送る。たつぷりやれの聲もかゝりたり。わさび臆病源兵衞を語る。余はこの噺を高座に聽くは初めてなり。いかにも賴りなき風貌のわさびが演じる臆病者は繪に描くが如く、所謂はまり役なり。やゝ早口なるが玉に瑕にてところ／″＼聞取り難し。七時十分三三上手より登塲。四十分の遲刻も何のその、泰然自若として膝を輕く曲げ絡繰り人形のやうに步きて座布團に坐ることいつもの如し。案の定新宿末廣亭晝席トリの仕事が長引き、名古屋に到着せし時は旣に六時四十分なりしといふ。辻自働車に乘りしが折惡しく女子大小路にて暴力團の抗爭勃發し交通澀滯に卷きこまれたり。一席目笠碁を語る。黴雨の時節に相應しき柳家のお家藝なり。まだ笠をとらないではサゲず、美濃屋が自ら笠をとり、仲直りしたから水入らずでやりませうにてサゲたり。仲入り二十分。三三二席目は湯屋番を語る。居候の若旦那が自ら奉公先を櫻湯に決めたる設定に一驚を喫す。過日櫻湯に出かけしところ妙齡の婦人が番臺に坐りゐたりを見て一目惚れし勝手に決めたりといふ。主人は丁度こゝに手紙を書いておいたが故持參すべしと云ひて手紙を渡す條はあまりにも好都合なり。若旦那が洗湯に行き番臺に主人のすわりゐたるを見て失望せざるもまた不自然なり。サゲは古典通りなりき。三席目靑菜を語る。時節にふさはしき噺なり。九時十分終演。南天に朧月を見る。
雨後の空晴れて暑けれど風は乾きて肌に心地よし。咖啡所コメダに朝飯を喫することいつもの如し。九時出勤。今週も鶯語に迎へらる。敎科書第八課を終へる。來週は期末試驗に備へて該當學課の復習を行ふ旨通告するや二限の男子學生ら一齊に拍手喝采す。午下給油して家にかへる。塚本知佳本橋哲也共著宮城聰の演劇世界を讀む。俳優阿部一徳氏取材に應へて舊臘薔薇の花束の祕密をご覽になり同じマヌエル・プイグが蜘蛛女のキスを演じてみたしと云はる。光榮の至りなり。
小雨ふりてはまた歇む。溽蒸堪ふべからず。午前慈君と倶にあぐりん村に徃き茄子蕃茄など購ひ、ロイヤルホームセンターに立寄りて空氣調節機の排氣管穴を塞ぐパテを買ふ。市役所の寒暑計二十七度を示す。一昨年度のセンター試驗英語問題解答と解說を精査す。我が網站の訪問日誌を下載するバッチファイルをタスクスケジューラに登錄す。操作→編集→開始（オプション）に作業ディレクトリを設定せざらば正しく機能せず。コマンドプロンプト畫面を非表示にするにはユーザーがログオンしてゐるかどうかにかゝはらず實行するを選ぶべし。余は今迄バッチファイルを手動にて實行し來れり。タスクスケジューラのお蔭にて自動的かつ定期的に日誌を保存することを得たり。NHK天皇陛下生前退位の意向を報ず。
隂。セキセイ鸚哥のアサリ君余が箸に乘りブロッコリー燒麵麭など食ふ。午後ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。センター試驗英語問題解說を精査す。NHKラヂオ第一に大相撲名古屋塲所中繼を聽く。琴奬菊三連敗。豪榮道二敗。栃煌山送り倒しにて鶴竜を倒し、隱岐の海も押し出しにて日馬富士を破る。日脚短くなりぬ。
晴。暑けれど乾きたる風心地よく書齋に孤坐すれば汗も出ず。センター試驗英語模範解答と解說を納品す。あぐりん村にて東鄉町產西瓜を購ふ。一個九百圓なり。午後淸掃業者來りて空氣調節機を洗淨す。永六輔歿。行年八十三。稀代の放送作家作詞家鬼籍に入りぬ。悲しむべし。ちあきなおみが黃昏のビギンを聽きて追悼す。スポーツ報知に黒柳徹子の追悼文を讀む。BS11イレブン寄席に柳家喬太郎の猫久、三遊亭遊馬が井戶の茶碗を聽く。喬太郎が師匠さん喬に入門するきつかけとなりしは井戶の茶碗と棒鱈なりといふ。
黄昏のビギン
作詞 永六輔
作曲 中村八大
歌 ちあきなおみ雨に濡れてた たそがれの街
あなたと逢った 初めての夜
ふたりの肩に 銀色の雨
あなたの唇 濡れていたっけ
傘もささずに 僕達は
歩きつづけた 雨の中
あのネオンが ぼやけてた
雨がやんでた たそがれの街
あなたの瞳 うるむ星影夕空晴れた たそがれの街
あなたの瞳 夜にうるんで
濡れたブラウス 胸元に
雨のしずくか ネックレス
こきざみに ふるえてた
ふたりだけの たそがれの街
並木の蔭の 初めてのキス
初めてのキス（1999年10月21日発売テイチクレコード
『ちあきなおみ全曲集』TECE-32130より）
晴。暑氣やゝ忍びやすし。五年來苦しみ續けし飜譯の仕事主治醫の助言に從ひ斷念す。九割近く飜譯して完成はあと一息の處まで漕ぎつけしに鬱病惡化して殘り一割の作業如何ともすべからず。監修者に電子郵件を送りて事情を說明するや直に返信あり、殘務を引受けらる。厚情謝するに辭なし。昨年度のセンター試驗英語模範解答と解說を執筆す。午後いつもの溫泉に徃き一浴す。本日參議院選擧の投票日なるを告げる車通りかゝりたり。時計を見るに三時半なり。投票率の低きを知らしむ。歸途エコハウスに使ひ古したる電腦二臺のハードディスクを癈棄し、小學校に立寄りて投票す。NHK總合演藝圖鑑に柳家さん喬の時そばを聽く。前座向けの滑稽噺なれど一瞬たりとも聽衆の氣を逸らさず近年出色の面白さ、至福の十二分間なり。柳家は道灌に始まり道灌に終るとはよく耳にするところなり。然すれば噺家は時そばに始まり時そばに終るといふべし。余は幼き頃に壽限無蝦蟇の油粗忽長屋などの滑稽譚に落語の樂しさを學び、長じて人情噺の奧深さを知りしが、知命に至りて落語の神髓は短き滑稽噺にありと確信するに至りぬ。Eテレ日本の話藝に三遊亭好樂が辰巳の辻占を聽く。マクラ十五分、本篇十五分。
雨ふりて俄に寒きこと晚秋の如し。英語入試問題模範解答と解說を執筆すること日課の如し。本日は山形大學福島大學宮城敎育大學弘前大學なり。知的好奇心を刺激する問題一つとしてなし。出題者の知性低調なるを知るべし。三重テレビ淺草お茶の間寄席に古今亭今輔の手紙は笑ふ、三遊亭遊馬が井戶の茶碗を聽く。久振りにてざる蕎麦を食す。
雨もよひの空なり。窗外蟬一時に鳴き始めたり。群馬大學と福島大學の英語入試問題模範解答及び解說を執筆す。午後より微雨ふる。ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。稻葉町の水田に鳧の七八羽雨を喜びて亂舞するを見る。晡時T氏來訪。釣果の鷄魚を惠まる。
晴れて溽暑甚し。咖啡所コメダに朝飯を喫すること例の如し。何故にや知らねど頃日客少なし。喧噪を厭ふ身にとりてはまことにありがたし。九時出勤。鶯の囀りに出迎へらる。蟬の聲も俄にさわがしくなりぬ。久振りにて會話の訓練を行ひ目的格人稱代名詞の用法を練習す。學生の反應頗よく瞳はきら／＼と輝けり。敎室を去る時有難うございましたとわざ／＼挨拶する學生少なからず。中京大學スポーツ科學部の學生は溫厚篤實なる者多し。午下控室より外に出でるに炎暑燬くが如し。三伏の暑襲來りぬ。滋賀大學及び愛知敎育大學の入試問題模範解答と解說を作成す。この日七夕小暑。
蚤起。薄く曇りて風涼し。午前慈君と倶にあぐりん村に徃き豐田產西瓜野菜を買ふ。早くも蟲の聲聞ゆ。ヂイ／＼と蟬も鳴きはじめたり。ヤマト運輸に徃き自家製紫蘇果汁を親類に送り、歸途ロイヤルホームセンターに立寄り鉢植の花數種を購ふ。含羞草も購ひたり。余この草に觸れるは小學校時代以來なり。慈君は含羞草そのものを知らず、指にて輕く觸れるや忽ち葉閉じるさまに瞠目せらる。午後ことぶきの湯に赴き囘數券を買ひ、アミカに立寄りて無鹽牛酪を買ふ。牛酪は本年も品薄にて一人一個限り販賣するなり。京都工藝纎維大學の入試問題模範解答と解說を執筆す。
晴。溽蒸堪へがたし。大阪敎育大學入試問題の模範解答と解說を執筆す。晡時主治醫を問ひ診察を乞ふ。五年來余は或る責務に苦しめらるゝ身となり、筆を執らむとすれども能はず、今夏に至りて懊惱いよ／＼甚しく如何ともすべからず。惡夢に襲はるゝこと連夜に及びて氣の休まる遑もなし。主治醫余の苦しむ姿を見て責務は中途放棄するがよかるべしと云はる。余もまた一日も早くこの責務より解放せられむことを冀ふばかりなり。來週には腹を決めるべし。歸途ことぶきの湯に立寄る。アッバス・キアロスタミの訃報あり。行年七十六。風が吹くまゝ、友だちの家はどこ？、そして人生は續く、オリーブの林をぬけて、櫻桃の味、クローズ・アップ凡て傑作佳作なりき。晚涼水の如し。
薄く曇りて蒸暑し。早朝理髮舖に徃く。琉球大學及び福岡敎育大學の入試問題模範解答と解說を執筆す。夕刻雷鳴驟雨三伏の時節に似たり。仕事を終へれば夜は早や二更にならむとす。
空曇りて欝蒸甚し。靜岡縣立大學の模範解答と解說を執筆す。Eテレ日本の話藝に柳家小滿んの鐵拐を聽く。ところ／″＼に現代的なるくすぐりあり。余がこの噺を聽くは三代目桂三木助と立川談志に次いで三人目なり。夕刻より雨沛然たり。
薄く曇りて蒸暑し。NHKラジオ第一眞打競演に宮田陽昇の漫才、北口幹二彦の漫談、三遊亭歌武藏の稻川を聽く。兵庫縣立大學と靜岡縣立大學の英語入試問題模範解答及び解說を執筆す。NHKブラタモリ會津篇を見る。タモリ若松城の位置を問はれて盆地東南の外れですねと答へ、共演者肯ひて南東ですねと云ふ。余はタモリの用語を聞きて我意を得たる心地したり。日本人は從來北東南東などの語を知らず、東北東南と言馴れたるなり。北東南東などの語は昭和七年ごろ天氣豫報士が用ひ始めたり。
舊五月二十七日。晴。久振りにて日光に接す。暴に暑し。盛夏は來りぬ。Eテレえほん寄席に柳家喬太郎のろくろ首を聽く。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。事務所より本年上半期の報酬を獲る。