陰晴定らず。日暮れてより暗雲立籠め肌寒し。椅子に坐るも難儀なれど原稾二三枚書きて後讀書。西班牙の新聞をみるに昨日維納にて蹴球歐洲選手權決勝戰あり、西班牙代表チーム獨逸を一對零にて破り悲願の優勝を果せり。四十四年振りの快擧なれば下に出塲選手を記して備忘となす。
フェルナンド・トーレス | Fernando José TORRES SANZ |
シルバ | David Jiménez SILVA |
セスク | Francesc FÁBREGAS SOLER |
シャビ | Xavier HERNÁNDEZ CREUS |
イニエスタ | Andrés Iniesta LUJÁN |
セナ | Marcos Antonio SENNA DA SILVA |
カプデビラ | Joan Capdevila MÉNDEZ |
マルチェナ | Carlos Marchena LÓPEZ |
プジョル | Carles Puyol SAFORCADA |
セルヒオ・ラモス | Sergio Ramos GARCÍA |
カシーリャス | Iker Casillas FERNÁNDEZ |
陰雨冥々。身心疲勞愈堪がたければ晝夜臥床に在りて眠を貪るのみ。今日中に何か一二篇書かむものと思へどその氣力もなし。死なざるが故に已むことを得ず生きてゐるとはかくの如き生涯を言ふなるべし。身體衰弱し活力殆消磨したる狀態なり。
朝目覺むるや疲勞全身重苦しきこと鉛の詰りたるが如し。けふも終日眠を貪る。薄暮微雨。枕上讀みたき書物とてもなければ、中沢新一對稱性人類學をひらき見る。さして興なけれど讀ざるにはまされり。然れども直に眠りの底に落つ。
薄く晴れて風涼し。日暮れて肌寒きほどなり。疲勞倦怠堪へがたく終日眠を貪る。讀書執筆全く廢す。ダンスマガジン七月號に越境者評揭載さる。
雨來らむとして來らず。蒸暑し。授業慘憺たる出來、歸宅するや疲勞甚しく倒れ込むやうに寢臺に仰臥し眠る。四更ラヂオ深夜便になべおさみの談話師匠ハナ肇を看取つてを聽く。二十九日間に及ぶ看病期なり。
薄く曇りて風涼し。筆秉るも感興來らず。アサリの健康恢復す。永らく體溫低く指に載せるにひんやりと冷たかりしが今月に入りて溫かくなりぬ。小松菜を食べ始めたるがゆゑなるや。脚も土氣色なりしが徐々に薔薇色を帶びゆくなり。この日富士貞房先生其近著モノディアロゴスIIを送らる。枕上味讀。
一週間振りの靑空に白雲多し。溽暑。筆とるも感興來らず。讀書。夕餉の後眼鏡を拭くにプラスチック製鼻當を折りぬ。閉店間際の眼鏡店に赴き修繕をなさしむ。交換僅二分。瑞西製ゆゑ部品交換料安からざれど顧客は半額なりとぞ。提携コインパーキングの無料券三枚貰ふ。
雨霽れて日の光雲間を漏れしが夕刻よりまた暗雲空を蔽ふ。涼風爽颯たり。自働車で瀨港線を走るに若き力士三人自轉車に乘り西へ向ふをみて名古屋塲所の近づきたるを知る。ステーキ・カフェ、ミスター・タイヤマンともにいつか廢業せり。午後讀書。曆をみて初めて一昨日二十一日夏至なりしに心づきたり。
雨降りまさりて歇まず。臥床に在りてグリフィスが活動寫眞イントレランスを觀る。氣球による空中撮影に息を呑む。
雨歇まず。網站意匠改變、頭痛藥を服して伏す。劣等感自己嫌惡を感じてやまざるなり。
輾轉反側、曉明に至る。曇りて暗し。身體重く倦怠甚し。Bの手紙を讀むや意氣忽銷沈し煩悶限りなし。いつか雨霏々たり。終日床に伏す。枕上池田清彦養老孟司ほんとうの環境問題を讀む。
朝の中小雨降りしかど午に至りて歇む。蒸して。授業にてパンズ・ラビリンス後半を觀る。こんなに怖い映畫を見たのは初めてですと感想を陳ぶ女子學生尠からず。圖書館に立寄り病院に徃く。入口の軒下につくられし燕の巢を見るにその雛三羽あり、先々週初めて見たりし時にはまだ目のあかざりしが今は羽も生えそろひ目もあきたり。來週には巢立ちするなるべし。主治醫の診察とカウンセリングを請ふ。初更再び雨となる。
薄く曇りて風涼し。飜譯を畢る。演出者協會W氏より通譯の依賴あり。シド・チャリース Cyd Charisse の訃報に接す。バンド・ワゴンのダンシング・イン・ザ・ダークは美の極みなり。雨に唄へばのブロードウェイ・メロディー、絹の靴下、ブリガドーンも忘れ難し。吾國にては苗字をチャリシーと書くを習慣とするも米國活動寫眞界の人々はチャリースと撥音するなり。行年八十六。
晴。この頃の空模樣殘暑の時の如し。日中炎暑甚しく朝夕の風冷なり。攝氏三十一度に上る。終日飜譯。聯續幼女誘拐殺人宮崎勤死刑執行の報出づ。スタン・ウィンストン歿。享年六十二。プレスントス・インプリカードス Presuntos Implicados の新ボーカリストに Lydia 選出さる。
睡眠劑を飮みしが眠ること能ず。うつら/\して黎明に至る。夜明けて暗雲空を蔽ひて暗し。ホテルのレストランに朝餉をなす。余の外に客なし。地下鐵道にて東京驛に出でゝ新幹線のぞみ號に乘る。疲勞して眠り、寤めれば名古屋なり。晴天無風暑し。一時半歸宅。ウェブサイト修正忽ち日は暮れぬ。
聯日晴れて暑し。セキセイ鸚哥に餌をやること日課の如し。午下新幹線のぞみ號にて東上。車中三浦雅士が漱石母に愛されなかつた子を讀む。東京驛にて山手線に乘換へ上野下車。驛構内雜沓甚し。鞄を胸に抱へ余の鼻先を足早に掠める五十がらみの男あり。鞄に白き紙貼りて何やら文言印刷されゐたり。通りがゝりに紙を見やるに、社會に不滿を持つ若者よ私に云々と讀めり。後半は定めし私に不滿を打明けろならむ。公園口改札を出づるに何處の運動員か路傍に旗を揭げ、パンダ/\と擴聲器にて怒號するなり。喧騷厭ふべし。上野公園を逍遙す。樹下に涼を取る者多し。噴水廣塲を步み野口英世の銅像に出づ。三時小島氏と東京文化會舘にバレエ・フォー・ライフを觀る。モーリス・ベジャール・バレエ團のものなり。クイーンとモーツァルトの樂曲による鎭魂かつ命禮讚の秀作なり。白き床壁、電子音、ストレッチャー、SIDA の言葉遊び、何れもダムタイプの S/N 竝びに OR を思ひ起さしめたり。レントゲン寫眞を背景にバティスト・ガオンがモーツァルトのフリーメーソンのための葬送音樂を踊る。今日はジル・ロマン出演せず。巨大スクリーンにジョルジュ・ドンの映像現れクイーンの ブレイク・フリーに完璧に同調するさま壓卷、茫然自失のまゝ終幕ショー・マスト・ゴー・オンを見つめる。觀客總立。グルーチョ・マルクスの名臺詞など哄笑を誘ふ塲面幾つかありしかど笑ふ客一人もあらざりしは無念なり。日比谷線にて廣尾に出で南麻布 CICADA に夕餉をなし款語三時間、初更投宿。
晴天。溽暑昨日に劣らず。朝食を食ひながら衞星第一をつけるに宮城岩手の縣境にて震度六强の大地震ありと報ず。ウェブサイト意匠改變にまた一日を費したり。
快晴の空拭ふが如し。昨日にも增して暑く攝氏三十度を超ゆ。育英會奬學金漸く完濟せり。午後ウェブサイト制作すれば日は忽ち暮れむとす。父上札幌より歸宅せらる。札幌も暑く二十六度に上りたりといふ。筑摩書房の網站いつしか新裝されたり。背表紙を樂しむ。新書マップ同樣妙案なり。枕上生物と無生物のあひだ讀了。達意の文章。興奮頻り。かくも面白き科學讀本はゾウの時間ネズミの時間以來なり。
雨。四月に入りてより木曜はほゞ每週雨なり。頭痛胃痛漸く痊ゆ。通常授業をやめギジェルモ・デル・トロ監督が活動寫眞パンズ・ラビリンスの前半を看る。學生の反應上々、感想を書かしむるに早く續きを看たしとの聲多し。授業後先週缺席せし男子學生來りて事情を語らる。氣胸を病み手術を控へたる由。余も學生時代自然氣胸を患ひしことあればその苦しみは察するに餘りあり。空いつしか晴る。歸途自働車部品量販店ジェームズに立寄り高齡運轉者標識を購ふ。包紙にはシルバーマークとあり。余は何故か枯葉マークと記憶しゐたり。道頓堀くゝるのたこ燒を食し舊稾を添刪す。夕餉の後母上とDVDでパンズ・ラビリンスを鑑賞す。亞米利加映畫のやうで矢張り歐洲映畫だねえと感心して語らる。けふは六月十二日、每年この日は中學二年の夏を思ひ出すなり。惡友S君A君K君と示し合せて國語の授業中一齋に起立し、大聲で大化の改新萬歲を三唱したりき。敎師呆氣にとらるゝも束の間、またあの莫迦共かと苦笑されたり。SAKの三君とは阿呆の限りを盡したりき。ある時は自習を要求せむとて職員室前の廊下に正坐して竝び、擔任T先生が通りがゝるや叩頭し、おねげえしますだ、自習にしてくだせえ、オラ達もう三日も食つてねえだと、水飮み百姓の眞似をして直訴せしことあり。T先生呆れ果て、莫迦の一言で斥けられたり。またある時は二階の便處の窗より雪中に飛込み、誰が最も美しき大の字を描くか競爭して大目玉を喰らひたりき。寔に莫迦と謂ふ可し。
薄く曇りて蒸暑し。夏椿の花咲きてはまた散る。けふも聯載の稾をつくる。セブンアンドワイに注文せし本をセブンイレブンに受取る。枇杷の木に椋鳥數多。福島伸一生物と無生物のあひだを讀む。水野晴郎歿。行年七十六。氏は邦題考案の奇才なりき。最長の日(The Longest Day)を史上最大の作戰、更に幾許かのドルを(Per Qualche Dollaro In Più)を夕陽のガンマン、ロシアより愛をこめて(From Russia With Love)を007/危機一發など、一度聞かば忘れ難し。
朝の中曇りしが午後に至りて晴る。暑氣稍忍び易し健康診斷の日なれば朝飯は食はず母上を伴ひ保健センターに赴く。檢査一時間半ほどにて終る。腹圍七糎、體重四キロ減ず。午後頭痛を忍びて原稾三枚書くを得たり。ヤフーニュースをみるに、福建省福淸市にて求婚者がケーキに結婚指輪を隱したるに女氣附かず飮込み人事不省に陷りたりといふ。正にウディ・アレンが活動寫眞世界中がアイ・ラヴ・ユーの一塲面なり。呵々。
起きて早々胃痛頭痛を催す。筆とるも進まず。倦怠感甚しく終日眠を貪る。明日の健康診斷に備へて早寢。
曇りて暗き日なり。風あり。午下FM愛知にサンデー・ソングブックを聽きながら一睡し、ラヂオのニュースに眠を破らる。澀谷だか何處だかの步行者天國にトラック突入し運轉手刄物を振囘して五人刺殺といふ。起きてヤフーニュースに續報をみる。現塲は秋葉原なり。陰慘極まりなし。氣分惡しくなり仔細は讀まず。早々に寢に就き讀書。
晴れて好き日なり。洗濯掃除。初更東海テレビ土曜プレミアムに三谷幸喜が活動寫眞 THE 有頂天ホテルを觀る。グランド・ホテルの燒直し故出演者まさにグランドホテル形式なり。吾國のホテルに通獘多く、その最も甚しきは壁の薄さなり。三谷は是を巧みに利用したり。待つたなしのスラップスティックは氏の自家藥籠中の物で、活動寫眞ならばラヂオの時間、戲曲にはザ・ショー・マスト・ゴー・オン、バッド・ニュース☆グッド・タイミングなど數多あり、本作もその系譜に屬す。然し切迫感さほど感じざりしは偏に大晦日忘年會の頗る貧相なるが故なり。細部と役者の演技を樂しむ。金髮コールガール役の篠原涼子絕品。演歌歌手西田敏行の豹變ぶり見事。役所広司は劇團出身の設定生きず原田美枝子との遣取り空轉するばかり、鹿の面を被りてマン・オブ・ザ・イヤーの受賞演說をする塲面も苦笑を誘ふのみ。喜劇に向かぬ人なり。冒頭を始め、ラウンジでの長囘し、固定カメラを多用する演出も三谷の得意とするところなり。
晴。涼風あり。蚤起してセキセイ鸚哥を起す。小禽は早起するものなれど我家のアサリとシジミは何故か起さゞればピイとも啼かぬなり。居間食堂ともに窗を遮光カーテンで覆ひたれば旭日の光射込まず、家内暗きが故なるや。雜誌公演批評を飜譯、事務處に送る。アサヒコムのどらくといふページを見るに吉行和子引退の取材記事あり。今月の俳優座劇塲アプサンスを最後に舞臺を下りる由。母君あぐり氏今年百一歲と知り一驚を喫す。初稾金曜ロードショーに風の谷のナウシカを看る。ナウシカがメーヴェを操り宙を飛ぶたび淚腺緩み、ベジテの大型輸送船との遭遇に悲淚を催し、テトがナウシカの肩にゐるを見るや漫ろ淚、ユパの納谷吾郎ギックリの八奈見乗児の聲にを流し、大團圓は隨喜の淚、エンドロールより最後の木の芽に至る迄は滂沱の淚に暮れぬ。テトといひマルコの猿アメデオといひ、余は肩にとまる小動物に頗る弱し。然れども宮﨑駿作品中余は長編第一作カリオストロの城を最も愛す。活動冒險漫畫の眞髓なり。
陰。平常授業。來週の豫定を告ぐるや敎室内歡聲に沸けり。午下一旦家にかへり小島章司フラメンコ舞踊團の網站を開設す。この日奇しくもロルカの誕辰なり。表示を確認して後病院に徃き主治醫の診察とカウンセリングを乞ふ。先生の話に慰みを得たり。役塲に赴き自立支援醫療受給者證の更新手續をなして外に出るに雨ぽつ/\降り初め忽車軸を流すが如し。圖書館に立寄りてかへる。
曇りて風なし。飜譯やうやくに畢りたり。二週間かゝるとは夢にも思はざりき。秀丸エディタで書きし稾を OpenOffice 2.4 Word にて淸書す。午下主治醫わざ/\電話を懸け來りて病狀を問はる。明日の診察を豫約す。夕刻疲勞して一睡。昨日購入せし服務器の管理會社より通知あり、獨自域名 shojikojima.com を無事取得せり。報道によるに新宿コマ劇塲十二月閉館といふ。
朝の中小雨降りしが午後雨雲散じて好く晴れたり。飜譯。ボー・ディドリー歿。最後にディドリーの演奏を聽きしは十年前の活動寫眞ブルース・ブラザーズ2000なり。氏を偲びてボー・ディドリーと大滝詠一1969年のドラッグレースを聽く。
この日より入梅。朝より細雨糠の如し。聯載原稾執筆。吉田秀和永遠の故郷夜を讀む。ガソリン壹百六拾九圓に値上げとなる。安西徹雄の訃に接す。享年七十五。
陰曆四月二十八日。晴れて暑し。午前地下鐵道にて名古屋驛に徃きゼミ卒業生MさんYさんと逢ふ。輕食屋に一茶し歡語一時間。學生時代より仲良きこと姉妹の如く、卒業して後ほゞ同時に結婚し共に娘を授かりたり。子の名前は優愛に祐芽と如何にも當世風なり。Y さんは夫の轉勤に伴ひ今夏栃木に轉居するといふ。大河ドラマ篤姬に身を擬へ不退轉の決意で赴きますとぞ。Mさんは子供を背負ひて母君が店主を務めるセブンイレブンにて每日四時間働くなり。午下別れて家にかへる。歸途煙草の自動販賣機に成人識別カード taspo を宛がひマールボロ・ライト・メンソール一函を購ふ。愛知縣内けふよりカード認證が義務となりぬ。煙草は早晚一函五百圓、その後は七百圓に値上りするらむ。