プラド美術館が保管する「モナリザ」の複製画は、単なるコピーの一つではなく、ダ・ヴィンチがオリジナルを描いたのと同時に弟子が制作したものであることが判明しました。弟子は恐らく後にダ・ヴィンチの愛人になったアンドレア・サライか、もしくはフランチェスコ・メルツィだろうとのこと。
決め手となったのは二点。まず素材がオーク材であり、フィレンツェの画家はクルミを好んだことから、専門家は長らくこの作品がフランドルあるいはオランダの画家によるものと考えてきました。ところがよく調べると素材はオーク材ではなくクルミでした。
二点目は背景です。「モナリザ」にはトスカーナ地方の緑豊かな風景が描かれていますが、複製画の背景は真っ暗。ところがこの暗い部分は十八世紀に塗られたらしい。復元作業を行ったところ、その背後にオリジナル版そっくりの風景が色鮮やかに描かれています。
エル・パイスの記事ですが、両方の絵を重ね合わせて表示しています。絵の上にカーソルを乗せて左右に動かすとオリジナル版と複製画を見比べることができます。
バルセロナのリセウ大劇場も収入減のため二十七公演を中止、雇用調整(ERE = Expediente de Regulación de Empleo)により劇場を二ヶ月閉鎖すると発表しました。中止されるのはオペラ四作品(ツェムリンスキー『フィレンツェの悲劇』『こびと』、ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』、エドゥアルド・トルドラ『五月のひまわり』)、モンテカルロ・バレエ団公演、コンサート二公演、スウェーデン人ソプラノ歌手ニーナ・シュテンメのリサイタル、『セビリアの理髪師』の児童向け公演 El Superbarber de Sevilla で、合計二十七ステージ。
財政難により過去三年間で公的助成金と協賛金が31%も落ち込んだのが原因。赤字を出さないためには370万ユーロ(約3億712万円)の節約が必要で、雇用調整を行うことで260万ユーロを浮かせるとのこと。閉鎖期間は3月20日から4月10日と、6月5日から7月8日まで。
先月末バルセロナの自由劇場(テアトル・リウル)が予算不足のため今シーズンの三公演を中止する旨、リュイス・パスクアル芸術監督が発表しましたが、予算カットの嵐はとどまるところを知らないようです。カタルーニャ州政府(ジェナラリタ)が自由劇場に通告した削減額は15%で614,000ユーロ。さらに今後はバルセロナ県と教育文化スポーツ省からも予算カットの通告がある見通し。テアトル・リウルの台所事情はこれ以上切り詰められないくらい苦しく、具体的な例としてパスクアルが挙げたのが小道具係。テアトル・リウルには小道具係がいないのです。なぜなら給料を払えないから。そこへもってきて今回の予算カット。泣く泣く三演目の中止を余儀なくされたわけです。
予算カットの嵐は当然ほかの劇場も直撃。セルジ・ベルベル芸術監督が率いるカタルーニャ国立劇場(Teatro Nacional de Cataluña)もジェナラリタからの予算が10%削減され、今年受け取る額は830万ユーロ(約8億2650万円)。ちなみに去年は925万ユーロ(約9億2100億円)、一昨年は1088万5千ユーロ(約10億840万円)でした。
セスク・カサデスス率いるコンテンポラリーダンスのメッカ、マルカット・ダ・ラス・フロールスも15%カットで、昨年の142万ユーロ(約1億4140万円)から今年は90万ユーロ(約8962万円)に減額。ん? 計算が合わないぞ? 15%カットなら120万ユーロのはずだけど。リセウ劇場も15%カット。
夏の風物詩、フェスティバル・グレック(Festival Grec)は予算の大半をバルセロナ市が負担しているため、削減額はテアトル・リウル同様5%で、大幅なカットは免れました。それでも新ディレクターのラモン・シモは開催期間を数日短くすると発表。例年は六月最終週に開幕し八月初旬まで開催されましたが、今年は七月が中心になりそうです。